盛岡タイムス Web News 2017年  2月  24日 (金)

       

■  3月3日と4日 フィリピンの子と天体観察 新作の反射式も携えて 空気望遠鏡プロジェクト 齊藤政宏代表に聞く


     
  新たに製作した反射望遠鏡をのぞきこむ齊藤代表=自宅で撮影  
  新たに製作した反射望遠鏡をのぞきこむ齊藤代表=自宅で撮影
 

 アマチュア天文ファンと県内で光学商品を扱う民間企業、フィリピン国の日系企業が連携した空気望遠鏡プロジェクト(齊藤政宏代表)が3月3日と4日、同国の子どもや住民を対象とした天体観察会を開く。2003年5月に雫石町丸谷地の小岩井農場で全長21bの空気望遠鏡を作ったメンバーが集まり、天体観察の機会が少ない同国の人々に月面や金星などを見せる。16年3月に続き2回目となった今回は、国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡と同じ原理を用いた反射望遠鏡も新たに制作した。2日に日本を発つ齊藤代表(62)に天体観察に対する思いを聞いた。

  齊藤代表は岩手大天文部の初代部長を務め、中学教諭を経て同農場まきばの天文館に勤めていた。同部OB会主催の天体観察会や毎年7月に滝沢市で開く、ホタル探検隊など体験を通じたさまざまな活動を行っている。

  齊藤代表は「フィリピンの子どもたちに、望遠鏡で星や月面を見せてあげたいと思った」と話す。齊藤代表は同農場を退職後、プラネタリウムではない本物の南半球の空を見たいと考えた。OB会に所属し、フィリピンで小さなレンズを作る日系企業セブニシコの小林健志社長に連絡した際、レンズの用途を知らない現地の従業員が多いと聞き、観察会を思い立った。

  空気望遠鏡は、約300年前にヨーロッパで開発された天体望遠鏡の一種。目を当てる接眼レンズと観察対象に最も近い対物レンズの間に筒がない構造なのが特徴。原理は現在の望遠鏡と変わらず、口径15aの対物レンズを用いた場合、倍率約200倍で見ることが可能だ。

  齊藤代表の提案に、OB会や県内の民間企業が賛同。空気望遠鏡のレンズは、レンズ製作を行う花巻市湯口二ツ堰の久保田光学の久保田千尋社長が提供。大勢の人に天体を見てほしいという考えに、天体望遠鏡等製造販売の同市石神町の大一光学が賛同。同社で販売する天体望遠鏡2台を提供した。

  1回目の観察会について齊藤代表は「(天体を)見て、驚き、感動する姿はどの国でも同じだと感じた」と話す。空気望遠鏡は現地の人々と一緒に組み立て。片目を閉じて見る望遠鏡に、現地の人は戸惑い気味だったが、月面のクレーターが見えると素直に喜び何度も見返した。月の満ち欠けなど、天体に関しても質問を投げ掛けてきたという。

  2回目の今回は、新たに反射望遠鏡を製作した。齊藤代表は「望遠鏡で天体を見た子どもらが将来、天体について語り合ってくれればうれしい。高価な望遠鏡ではなくとも、天体観測が楽しめると知ってもらいたい」と期待に胸を膨らませた。
(戸塚航祐)


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