盛岡タイムス Web News 2017年  2月  25日 (土)

       

■ 〈体感思観〉二分の一成人式に思う 藤澤則子


 小学校3学期も後半に入り、20歳の半分の10歳を祝う「二分の一成人式」の話題をよく聞くようになった。

  もともとは県外の学校で始まった行事というが、盛岡市内でも4年生の最後の授業参観に実施する学校が増えてきているようだ。児童が10年を振り返り、将来の目標を発表するスピーチを中心に、「二分の一成人証書」の授与や保護者から子へ手紙が手渡されることもある。

  記者も親として3度目の「二分の一成人式」に参加させてもらい、クラスの子どもたちの成長をたのもしく感じた。同行事に際しては、事前に子が保護者に生い立ちなどを聞き取ることも。さまざまな形の家族がある中、親の出番が多いことから、先生方も心を配っていることと思う。どうしても親子関係がクローズアップされるが、将来の目標をたてる最初のステップとして「10歳」をとらえると新たな可能性を感じた。

  学芸分野で活躍している人への取材を重ねる中で、10歳の体験を特別なものとして語る人が多かったからだ。さらにその中で「担任の先生」が多く回想されていた。

  14年に第10句集「無辜(むこ)の民」(KADOKAWA発行)を出版した盛岡市在住の俳人小原啄葉さん(95)が、俳句に興味を持ったのは「10歳の頃」。インタビュー時、「担任の先生に褒められた」と、顔をほころばせた。

  盛岡市出身でパリ在住の画家宇津宮功さん(71)が絵に熱中するきっかけは「10歳の時の夏休みの課題の絵」。母親が手伝ってくれたものを提出したところ、担任教諭に褒められたという。著書「パリの絵描きの夢舞台」(未知谷発行)の中でも「その後ろめたさを消し去ることが人生の課題となり絵描き業に専念することになった」と述懐している。

  思春期の入り口に立っている子どもたちにとって親はもちろんだが、周りの人たちの励ましがどれほど支えになり、将来にわたっての奮起につながるか。105歳の医師日野原重明さんも、著書「十歳のきみへ―九十五歳のわたしから」(冨山房インターナショナル発行)でメッセージを送っている。
 



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