盛岡タイムス Web News 2017年  4月 15日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 大崎真士 入社20年目の節目に



 今も春になると、社会人になり立てだった時のことを思い出す。1998年3月28日の入社から、今年で20年目を迎えた。

  随分前に感じるのに、当時の記憶は鮮明だ。何度も取材のやり直しを命じられ、取材相手に怒られ、時間をかけて歩いた会社への帰り道。上司が手直しして真っ赤に染まった原稿が突き返されたことも数知れない。入社1カ月もしないうちに、体に原因不明の赤い発疹ができた。

  みんなたどった道ではないか、多かれ少なかれ。今まで辞めずに踏みとどまれたのは、自分が職場や取材先に必要とされていると感じることができたからだ。つらくても、やりがいがあった。1年が経過して優秀な後輩ができた。負けていられないと発奮したからこそ、現在があると自負している。

  あれから、どれだけの人と出会い、お世話になってきたか。

  いつも3、4月は出会いと別れの季節だ。入学式や卒業式などの取材を通じ、多くの人の節目を見た。そして今春も、それぞれの旅立ちや引退の場面に遭遇した。ついつい過去の自分の境遇を重ねてしまうことがある。

  視点をなかなか変えられなかった。ローカル紙に籍があるので、取材先や同業他社の知り合いを岩手から見送る場面の方が多い。だから無性に「置いてきぼり」を食った感覚に襲われた。自分には大きな変化や節目がない気がして、感傷にふけった。

  累々と日々が繰り返されているわけでなく、ちょっとした日常にも変化がある。気付くまでに、多くの歳月を費やした。自分にはそれだけ時間が必要だったとも、今なら思える。

  よもや自分にはないと思っていが、3月に結婚した。人生のどこに節目や転機が待っているか分からない。私事ですが、ご容赦を。
 


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