盛岡タイムス Web News 2017年  4月 29日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 佐々木貴大 飛躍なるかキヅール


 サッカーJ3グルージャ盛岡のホーム開幕戦を翌日に控えた3月25日、奴は突然やってきた。足の生えた折鶴という独創的なデザイン。「折鶴ながら『折れない心』の持ち主」というとんでもない設定。キヅールの快進撃はこの日始まった。

  3月31日付の本紙でも紹介したが、改めて説明をすると、グルージャは16日までマスコットの選定に向けた一般投票を募った。最終候補4体のうち、一つがキヅールだった。

  近年、日本各地で大量発生している「ゆるキャラ」とは一線を画す直線的なフォルム。カワイイ系が大勢を占めるJリーグのマスコット界でも類を見ない外見から、主にインターネット上で大きな話題を集めた。候補の段階で、県内で視聴することのできないテレビ東京でも取り上げられたというから驚きだ。

  クラブの動きも秀逸だった。多くのサッカーファンが情報を求める日本代表戦のハーフタイムに合わせてツイッターを更新し、キヅール独走という投票の中間発表を公開。情報を発信し続け、話題を保ち続けた。

  短文投稿サイト、ツイッターで「キヅール」と検索すると「着ぐるみにできるのか」「ネタ枠」「マスコットはノリと勢いで決めるものではない」「シンプルさと分かりやすさでキヅール」など、賛否両論の意見も見える。

  グルージャのサポーターの反応はどうかと話を聞いてみると「明るい話題でグルージャが取り上げられるのは、天皇杯でベガルタに52で勝った時以来だ」と、話題になったことそのものがポジティブな話題となっている。

  投票そのものはすでに締め切られており、クラブによる集計が行われている。27日時点で結果は発表されていないが、これほどまでに多くの注目を集めたサッカーチームのマスコット候補が過去にあっただろうか。

  くしくも投票期間中にはクラブの2016年度決算が発表され、2期連続の赤字が確定。キヅールのような「折れない心」で注目を集め、飛躍につなげてほしい。
 


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