盛岡タイムス Web News 2017年  5月 5日 (金)

       

■ よみがえりのベル鳴る街 日詰リノベーションまちづくり@ はちすずめ菓子店 スクール受講で初 古い美容室を改装 阿部静さんが工房

 

     
   昔ながらの美容室をリノベーションし、菓子店を開いた阿部さん  
   昔ながらの美容室をリノベーションし、菓子店を開いた阿部さん
 

 紫波町の旧中心市街地・日詰商店街で行われている「日詰リノベーションまちづくり」で、古民家や空き店舗を活用した事例が生まれている。2015年に始まったリノベーションスクール@紫波の参加者による菓子店の事業化や、町民による独自の店舗運営が展開される他、商店街の未来像をイメージしたイベントも開かれている。地域における動向を踏まえ、さまざまな切り口で日詰の再活性化に取り組む人々を紹介する。
(山下浩平・毎週金曜日掲載します)

  同スクールの対象物件、受講生から初めて事業化となった「はちすずめ菓子店」。1日、同商店街の東側、通称・裏通りにあった「それいゆ美容室」を改装して開店した。昨年3月から同所での店舗設置を構想していた店主の阿部靜さん(35)=花巻市=。同9月のスクールで出会った仲間や地域住民への感謝を込めながら、動物性の材料を使わず、町産リンゴや小麦など、素材のおいしさを生かした、こだわりの菓子づくりを展開する。

  「スクールの受講で、事業化へ向けた動きが加速した。各分野の専門家が同じチームになり、収支、事業計画などが組み上がっていった。私は作れる菓子があるだけなので、1人では、ここまで早く進まなかった」と開店までの1年を振り返る。

  直売もするが、工房がメーンの店舗。改装する中でコンセプトに置いたのが、古さを生かすことと前オーナーの思いだ。築50年ほどのレトロな雰囲気を生かしつつ、一方で、壁や天井に断熱材を入れるなど、機能性も重視した。また、美容室時代に使われていた看板は残し、昔から親しまれてきた雰囲気を菓子店に調和させた。

  「スクールで出会った、わかば設計の作山良枝さんから『店舗こそ断熱が必要』と言われた。最初は初期投資を減らすことに目が向いていたが、断熱材を取り入れれば暖房費が抑えられる」とスクールを通して、経営面に必要な要素を学んだ。

  商品はアップルパイやキッシュがメーンだが、これらは卵やバターを含め動物性の材料を一切使わない。以前、幼稚園で給食調理をしていた阿部さん。食物アレルギーを持つ子どもが、みんなと離れ、別なものを食べなければいけない寂しさを痛感した。そこで、ビーガン(完全菜食主義)の菓子作りを開始。昨年10月まで花巻市の他店舗を借り、イベントなどで出品していた。

  「みんなが同じ食べ物で、おいしいと思えれば一番良い。小麦や菜種のおいしさを生かした、動物由来のものを使わない菓子があってもいい」と、こだわりを話す。

  当初は「ここで店を出したい」という自身の思いだけだった。開店準備をする中で仲間の協力を得たり、地元の住民から応援や歓迎をされる中で、少しずつ「この地域へ貢献したい」という思いが育まれていった。

  阿部さんは「ここに店を構え、お客さんが来ることで日詰のことを知ってもらう機会になる。それが地域の活性化につながっていけば」と展望を語った。

  店舗は紫波町日詰郡山駅52の3。午前11時〜午後4時。毎週、月曜から木曜営業。また、10日までクラウドファンディングを受け付けている。詳細は「はちすずめ菓子店」のフェイスブックページから閲覧できる。

  問い合わせは電話09097403866。


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