盛岡タイムス Web News 2017年  5月 23日 (火)

       

■  グルージャ盛岡 クラブ経営に危機感 2来連続赤字 Jリーグ資格維持へ背水 前副社長逮捕も打撃 経営と信頼立て直し


     
   球団の存続へ、グルージャマルシェの充実など、あらゆる方策を尽くしている  
   球団の存続へ、グルージャマルシェの充実など、あらゆる方策を尽くしている
 

 サッカーJ3のグルージャ盛岡を運営するいわてアスリートクラブ(菊池賢社長)は、2015、16の2年度続けて赤字を計上した。さらに前副社長がクラブ資金を私的流用し、17年5月18日に業務上横領で逮捕された一連の騒動では信用も失った。Jリーグのクラブライセンス制度では3期連続の赤字は認められておらず、17年度はクラブ存続へ崖っぷちの1年となる。

  クラブでは16年度(16年2月1日〜17年1月31日)決算で、1億5784万円の当期純損益を計上。経営改善の先頭に立つ宮野聡常務は「3期連続の赤字は(Jリーグの)規則上許されない。岩手からJのクラブがなくならないよう、スタッフ一丸となって取り組む」と決意を語る。

  16年度の損失増加は、営業活動の低迷などによる広告料(スポンサー)収入の減少が主な要因だった。球団では財務改善に向け、コストカットと収入増を柱とする営業の改革に着手。中でも、収入の増加は全力を挙げて取り組んでいる。17年度はすでに16年度の実績(約7200万円)を上回るスポンサー収入を確保しており、Jリーグ参入後最多を記録した15年度(約1・1億円)実績もクリアできる見通しが立っているという。

  横領問題に端を発する信用の失墜に伴い、大口スポンサーの契約件数は厳しい状況にあるという。その中で収入増を支えるのは、今シーズンから導入した小口スポンサー制度だ。インターネット上で広く募集し、1口3万円からという手軽さもあって、開幕からすでに約160件の申し込みがあるという。

  1試合ごとの観客増、収支改善も急務となる。16年シーズンに開催したホーム戦の平均観客数は1188人、試合ごとの収支が黒字となったのは15試合中わずか5試合だった。宮野常務は「観客数を一気に増加させるのは難しい。集客増には地道にさまざまな工夫を行わなければ」と話す。

  飲食ブース「グルージャマルシェ」の店舗増やテーブルの設置、グッズ販売のクラブ直営化などにも着手し、客単価の増加を狙う。効果は出始めており、ホーム戦の観客数は徐々に増加。収支も、確定した3試合全てで黒字化した。今後もマスコットの製作開始やクラブ初となるグッズの通販サイト開設など、さまざまな手段で注目を集め、収入増加への手段としている。

  今季新加入の岩渕良太選手は「選手もグラウンドで頑張っているように、フロントにも頑張ってほしい。ホーム開幕もあの人数(1018人)は寂しい。大きいクラブじゃない分、細かいことからコツコツとやっていかなければいけないと思う。盛岡はいい街なので、松本山雅やレノファ山口のように、必ず状況は良くなると思う」と期待を寄せた。
(佐々木貴大)
 


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