盛岡タイムス Web News 2017年  6月  1日 (木)

       

■  盛岡市米内浄水場 「昭和モダン」に新装 水道記念館6年ぶり公開 震災の破損を改修 創建から歩み展示


     
  一般公開の再開を前に行われたセレモニー(5月31日午前)  
  一般公開の再開を前に行われたセレモニー(5月31日午前)
 

 盛岡市上米内中居の市米内浄水場内にある市水道記念館がリニューアルされ、1日から6年ぶりに一般公開が再開される。これを記念して5月31日に現地でセレモニーが催された。記念館は1934(昭和9)年の創設により、浄水場事務所兼管理人住居として建てられた。東日本大震災の被災に伴い改修される過程で、建設当時の意匠が新たに確認され、リニューアルにも反映された。盛岡の水道事業83年の歴史とともに垣間見ることができる。

  記念館の建物は木造平屋建て、建築面積157平方bのモダンな外観。特徴として▽瓦ぶき寄棟屋根▽玄関に屋根付きの小窓「ドーマー窓」▽玄関口左右に丸窓▽各窓の両端部に素焼きタイルの装飾―と、昭和初期の流行が多数採用された。

  東日本大震災発生時に壁面などが落下したため、2011年から公開が中止された。市は13年度に保存活用計画を策定し、地質調査や耐震設計、内装と展示の基本設計を実施。16年度に文化庁補助で、リニューアルされた。事業費は計約5350万円(うち国補助約2670万円)。

  改修の過程で、天井まわりに建設当時の左官職人による漆喰(しっくい)化粧仕上げが施されていることが分かり、保存を決めた。展示室の板張りを外すと優れた技術の漆喰壁も見つかった。当時に近い工法で意匠が再現されている。梁(はり)や土台に使用されている木材には市章の焼印も確認できた。

  記念館は、公開中止前に水道の仕組みなどが展示されていた。リニューアルにより、創設当時の建物の雰囲気や歴史、水道事業の歩みの発信がコンセプトのメーンになった。当時の設計図や写真、新聞記事などがパネルで展示される。

  米内浄水場は浄水場として盛岡市内最古。記念館は1968年(昭和43)年に現管理事務所完成後、倉庫として利用されていたが、84年に市の水道創設50周年を機に記念館となった。99年には、ろ過池調整室など関連施設などと国の有形文化財に登録された。

  31日のセレモニーには、市幹部や市上下水道局職員の他、市議や米内地区福祉推進会や上米内振興会など地元住民ら来賓合わせて約80人が参加した。テープカットが行われ、内部が公開された。

  藤尾善一副市長は「当市の水道事業は清澄な流れと豊かな水量を持つ米内川を水源に米内浄水場から給水開始したことから始まる。記念館がヤエベニシダレヒガンザクラの美しい花に趣を添え市の水道の歴史を伝える拠点として長く市民に愛されることを願う」とあいさつした。

  一般公開は11月30日までの平日で、土日・祝日は休み。時間は午前9時半〜午後4時半。入館無料で、事前の申し込みが必要。問い合わせは電話667―2280へ。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします