盛岡タイムス Web News 2017年  6月  7日 (水)

       

■  PFI方式 初導入へ方針固める 財務支出が平準化など利点 市教委 (仮)盛岡学校給食センター 19年度契約、22年度供用目指す


 盛岡市教育委員会は、老朽化が進む都南学校給食センターの代替施設となる仮称盛岡学校給食センターの整備へPFI方式を導入する方針を固めた。同市では、市動物公園の再整備、盛岡南公園野球場の整備へPFI方式の導入を検討しているが、導入方針を固めたのは同センターが初めて。2016年度に業者委託で実施したPFI導入可能性調査により、財政支出の平準化、責任分担の明確化などの観点からPFI方式が有効であると判断した。市教委では、19年度に事業者と契約締結し、20、21年度に建設工事、22年度の供用開始を見込む。

  盛岡学校給食センターは、同市向中野道明地内の準工業地域(約14万5千平方b)の一画に整備。施設規模は鉄骨2階建てで、延べ床面積3810平方b。現在の都南学校給食センターと同じ小学校9校、中学校4校に給食を提供し、提供食数は現施設から約900食増の1日当たり6200食を見込む。新施設は、アレルギー対応が可能となる他、大規模改修などに伴い対象校以外で単独調理場での給食が提供できない際に支援できる体制も確保される。

  市教委によるPFI導入可能性調査では、設計・建設・維持管理・運営の業務を個別に発注し、民間資金は活用しない「従来方式」、民間資金を活用せずに設計・建設を一括発注し、維持管理・運営を別契約で民間委託する「DBO方式」、民間資金と経営力・技術力を活用し、PFI法に基づき公共施設の設計・建設・維持管理・運営を一括発注する「PFI方式」を総合的に判断した。運営事業期間は、事業者の中長期投資として妥当な利益回収期間や金融機関の融資償還設定可能範囲を考慮し、15年6カ月間と設定。

  比較は▽業務一括発注の効果▽交付金適用▽支払いの平準化▽財務モニタリング▽リスク分担責任▽先行事例件数―の6項目で実施した。調査の結果、PFI方式のうち、施設を建築後に所有権を市に移転した上で運営や維持管理を行うBTOと呼ばれる手法が市にとって最もメリットがあると評価された。

  PFI方式では、市が特別目的会社(SPC)と事業契約し、SPCが設計・建設・維持管理・運営の企業と契約して事業を進める。これにより事業の窓口がSPCに統一され、事業全体の責任・リスク分担が明確になり、市の業務負担が軽減される。

  財政支出面では、市と協定を結んだ金融機関がSPCと契約を結び融資することで、交付金や起債以外に市が建設の一時期に用意しなければならない一般財源が軽減される。民間資金の活用により、市は運営期間中に分割で一般財源から支払いができる他、金融機関によるSPCへの財務モニタリングなど監視体制が強化されるメリットもある。

  今回の調査は、調査時点で想定される市と事業者の役割分担や児童生徒数の推計などを基に作成したモデルプランで、比較を実施。モデルプランによる市の財政負担は、PFI方式(BTO手法)で約74億6千万円、DBO方式で72億3千万円、従来方式で約79億円が見込まれた。事業費の単純合計額ではDBO方式が有利だが、支払いの平準化、財政モニタリングの活用などの定性的効果の有利性からPFI方式が最適と評価された。

  市教委では、児童生徒数などの最新データに基づき、提供食数、施設規模、設備基準、PFI事業に含める業務内容などを精査し、事業者募集に当たっての事業費の上限を設定する。事業者募集に当たっては、プロポーザル方式、総合評価方式の一般競争入札のいずれかを想定しており、19年度には事業者と契約締結したい考え。


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