盛岡タイムス Web News 2017年  6月  14日 (水)

       

■  桜顔酒造 べトナムへ日本酒 5月から和食店向けに セミナーで知識普及も アジアで出荷拡大目指す


     
  ベトナムへの輸出事業について語る工藤顧問  
  ベトナムへの輸出事業について語る
工藤顧問

 

 盛岡市川目町の酒造メーカー桜顔酒造(中井悦史社長)は、ベトナムへの日本酒の輸出に乗り出した。5月初旬から、ホーチミンの和食チェーンやすし店への出荷を開始。日本食ブーム、現地人向けに開いた日本酒セミナーを追い風に、出荷数はすでに年間目標に到達する勢い。日本酒の正しい保管、提供方法などを伝えながら岩手の日本酒の魅力を発信し、ベトナムでの販売先を広げる。

  3年前に、韓国と台湾への小口輸出を始めた同社。2016年7月に日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援「新輸出大国コンソーシアム」の採択を受けたことから、本格的な輸出事業を始動させ、まずは東南アジアへの展開を決めた。

  ベトナムを輸出先に選んだのはGDP(国内総生産)と個人所得の増加が著しく、一人当たりのアルコール消費量が多いことから。ジェトロの情報や現地訪問を通じて現地の食文化、生活習慣などの調査を進め、昨年10月に現地の卸業者「心imba(しんば)」と契約。日本人の永井茂雅さんが経営する「THE SUSHI BAR(ザスシバー)」での提供が決まった。

  日本酒セミナーは、永井さんの依頼で企画。高温で保管したり大吟醸を熱かんで出すなど、日本酒の知識が乏しい卸業者、店の従業員へのレクチャーを頼まれた。

  第1回のセミナーは同社の酒がメニューに載る前日の5月8日、同店の従業員と卸業者ら約40人を集めて開催。13種類の日本酒を試飲してもらいながら日本酒の種類や特性、保管方法、食べ物との組み合わせ方などを解説した。県産のワカメやチーズ、缶詰なども提供し、日本酒の繊細な味わいを引き立たせる楽しみ方も紹介した。

     
  日本酒を試飲してもらいながら進めたベトナムでの日本酒セミナー  
  日本酒を試飲してもらいながら進めたベトナムでの日本酒セミナー
 


  「セミナーから5日間後、当社の商品の在庫がなくなったと発注が入った。日本酒に対する従業員の関心が変わり、販売が促されたようだ」と、同社の工藤明顧問はセミナーの効果を語る。5月時点でベトナムの11店舗に出荷しているが、6月の注文分だけで今年度の目標販売数1200本に到達するという。

  9月に2回目のセミナーを開き、出荷先をハノイまで伸ばす計画。今後5年で東南アジア、東アジアに営業先を広げ、総出荷数5万本を目指す。

  工藤顧問は「5年前に計画した輸出事業をようやく始動させられた。桜と富士山が大好きなベトナム人。当社の品はきっと喜ばれる」と自信を見せ、「現地の嗜好(しこう)を探りながら販売を広げ、セミナーを通して岩手の日本酒をアピールする」と展望を語った。


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