盛岡タイムス Web News 2017年  6月  20日 (火)

       

■  滝沢市の元村保育園 年度内に増改築 待機児童解消へ期待 今夏の着工へ 保育士の確保に心配も


     
  増改築が予定される元村保育園(4月撮影)  
 
増改築が予定される元村保育園(4月撮影)
 

 滝沢市鵜飼外山の元村保育園が2017年度内に増改築される。1981年に建築され三十数年が経過したことを理由に、保育園と同市保育協会を併設した保育園兼事務所の園舎を建築。4月1日時点で27人いる市内の待機児童解消も期待される。しかし、子どもたちの世話をする保育士数は園児数に対して常勤が足りない状況。市内の児童福祉関係者によると、現場からは「園児の定員を増やしても、保育士が確保できなければ開園は難しい」との声があるという。

  保育協会によると、新園舎の延床面積は約1252平方b。保育園の園庭に2階建ての保育園兼事務所を建築。3月23日に県開発審査会で開発許可が下り、これまで敷地内にあった事務所を開園当初と同様に一つの建物に併設する。工事は早ければ7月をめどに始め、17年度内に完成を見込む。園児の安全に十分配慮しながら、工事中も現在の園舎を使用する予定だ。

  保育園増改築は、宅地開発の著しい市中心部の待機児童解消が期待される。市健康福祉部児童福祉課によると、市の待機児童数は、16年10月時点の57人から30人の改善がみられた。同園は増改築で定員を80人から120人に拡大。既存の保育園でも7月から定員を増やす計画があり、市内待機児童の改善がさらに見込まれる。

  しかし、国の「保育士の配置基準」では子どもの年齢によって必要な保育士の人数が異なる。定員が増えても、保育士が足りなければ受け入れられない場合もある。

  保育協会によると、市内で最もニーズの高い保育年齢は、育児休業から職場復帰する親が預ける1、2歳児。この年齢は、園児6人に対し保育士1人を配置する必要がある。

  しかし、園児30人に対し1人配置の4、5歳児でも保育士が足りない現場では、保育の需要と保育士の供給のバランスが取れず、結果として受け入れを見合わせる事例もあるという。

  全国的な待機児童数の増加を受けて、国は16年度に配置基準を緩和。15年からは「子育て支援員」という民間資格の認定制度が始まっているが、現場からは行政側に具体的な保育士確保の施策を望む声が多い。

  市も保育の現状は把握している。しかし、佐藤勝之児童福祉課長は「市としても、子どもを預けて働きたい人の要望に応えたいと思っている。今後は少子化傾向にあり、施設維持の観点から増やすことは難しくなる。また、保育士数は常に足りない。今回のように定員が増えて待機児童が解消されても、数年後に増える可能性は高い」と厳しい表情を見せた。

  保育士確保の厳しい現状から保育協会は関係団体と協力。資格を持ちながら保育士に就かなかった「潜在保育士」の掘り起こしを始めている。だが、職場を選ぶ際に条件の良い首都圏を選ぶ場合が多く、担当者は頭を悩ませている。

  宝屋敷陽子事務局長は「保育士の募集は常に行っているが難しい状況。保育士の資格を取った学生でも、(保育園の求人)条件によって他の仕事を選択するようだ。保育士でも首都圏を選ぶ傾向が強い。今年度は5人採用できたが、現場は厳しい。保育士の資格を持ち仕事に復帰したいという人が来てくれれば」と切実さを語った。


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