盛岡タイムス Web News   2017年  9月  22日 (金)

       

■  三閉伊一揆を大型紙芝居に 藤沢さん(滝沢市)ら布の貼り絵で制作 24日ビッグルーフで上演 「心の強さ伝えたい」


     
  布の張り絵で大型紙芝居を制作する藤沢昭子さん(中央)と歴史教室の受講生  
  布の張り絵で大型紙芝居を制作する藤沢昭子さん(中央)と歴史教室の受講生
 

 滝沢市大石渡の古文書解読研究所の藤沢昭子さん(73)ら同市内で歴史を学ぶ有志は、1853(嘉永6)年に三陸沿岸地方で起きた一揆を題材にした大型紙芝居の制作に取り組んでいる。「希望への貝吹き おらだぢ、生活(くらし)に小〇(こまる)」(同研究所主催)と題して、24日午後1時から同市下鵜飼のビッグルーフ滝沢・大ホールで上演する。市町村史や古文書の研究を基に台本を作った藤沢さんは「自分たちの日常を取り戻そうとした人たちの心の強さ、応援した人たちの優しさを伝えたい」と意気込んでいる。

  「(嘉永)三閉伊一揆」は、1853年に起きた3万人規模の農民一揆。藤沢さんは、講師を務める滝沢市睦大学「歴史教室」で2010年、11年にも同一揆を取り上げ、学びの成果として紙芝居を制作。東日本大震災後は仮設住宅を訪問しての上演も重ねてきた。ビッグルーフ滝沢のオープンを機に紙芝居の上演を思い立ち、広いホールでの上演にたえられるよう、26画面(枚)を16画面に絞り、戸板サイズの大画面で表現することにした。

  今回の紙芝居は、田野畑村のリーダーの一人・畠山太助が主人公。度重なる凶作による飢饉(ききん)と重税に苦しんでいた農民が、暮らしを守るために仙台藩に越訴する半年間のたたかいを描いた。

  藤沢さんが今年5月ころから制作を開始。古い着物の布を材料に、農民の集団が「小〇」の大のぼりを掲げた様子や仙台藩まで行った代表者が「誰一人罰することはしない」という約束の「安堵状」を手にして帰村する場面などを張り絵で表現。山本加寿枝さん(73)、千葉多美子さん(75)ら「歴史教室」の受講生も制作を手伝った。

  上演本番は、有志約20人が協力する予定。ナレーションは藤沢さんが担当する。タイトルの「貝吹き」は、一揆が当時、「貝吹き」「叺(かます)背負い(しょい)」と言われて実行されていたことにちなんだ。

  藤沢さんは前回の紙芝居から6年を経て、改めて「仙臺葉(は)なし(野田百姓一揆 仙台藩唐丹村へ押し入る)」(盛岡市都南歴史民俗資料館蔵)などの文書を読み込み、帰村の際に「綿入(わたいれ)」を支給するなど仙台藩から見た同一揆の記録も台本に生かした。

  「三陸沿岸地域は、この一揆の後も明治・昭和・平成の3度の大津波に襲われ、そのつど日常を取り戻そうと立ち上がってきた。平穏な日常の大事さも感じてもらいたい」と話している。

  上演はトークと合わせ約1時半間。入場無料。問い合わせは、藤沢さん(電話688―7238)まで。


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