盛岡タイムス Web News   2017年 10月  17日 (火)

       

■  店舗で血液検査 医療に収集データ生かす 次世代ヘルステック・ビッグデータ利活用事業 薬王堂とセルスペクトが共同で


     
  共同事業を説明する岩渕社長と西郷社長(左から)  
  共同事業を説明する岩渕社長と西郷社長(左から)
 

 矢巾町の薬王堂(西郷辰弘社長)と盛岡市の医療機器開発製造、セルスペクト(岩渕拓也社長)は2018年4月から、共同事業の「次世代ヘルステック・ビッグデータ利活用事業」を始動させる。データをクラウドで管理するセルスペクトの血液検査用POCT(臨床現場即時検査)装置を用いた無料のセルフ健康チェック所を、東北地区の薬王堂全236店舗に設置していく。集めた健康データは、薬王堂の購買情報と統合させて行政、医薬医療機器メーカーなどに提供し、医療・福祉施策や新商品、新サービスの向上につなげる。

  ヘルステックとは、IT通信機能を備えた最新の医療・健康製品のこと。血液検査用POCTは、1滴の血液であらゆる健康項目を自己検査できる製品。10分程度で診断結果を出すことができ、結果をクラウドで管理、即時共有することができる。測定できるのは血糖値やヘモグロビン、善玉・悪玉コレステロール、中性脂肪、肝機能など8項目。来店時の気軽な測定を勧め、病気の早期発見、健康意識の増進につなげる。

  クラウドに集めた健康データは、薬王堂利用者の消費行動データと結びつけ、年代や病状、地域、嗜好(しこう)など分野ごとに傾向性を導く匿名データとして集積する。東北以外のドラッグストアや調剤薬局に連携を広げてデータを増やし、信ぴょう性の高い解析データにする考え。約3年以内に100万人ほどのデータを集め、店舗内の商品構成、商品開発に生かす他、自治体や医療・保険関連会社などに提供し、健康・保健施策やマーケティングなどへの活用を促す。

  検査には看護師や薬剤師などが必ず立ち会う他、出張型セルフ検査室を展開するケアプロ(東京都)と連携することで安全面を十分考慮する。医薬品、医療機器メーカーに協賛を仰ぎ、肌年齢診断、唾液チェックなど、検査できる項目を増やしていく考えだ。

  年内中に同事業をイベントなどで試験的に実施し始め、来年4月から盛岡周辺9店舗で本格導入する。県内93店舗、東北地区全店舗へと実施を広げる。

  西郷社長は「自分の健康状態を気軽にチェックすることは病気予防や健康寿命の延伸、公的医療費の削減につながる。この取り組みを岩手から全国に広げていきたい」と話していた。

  岩渕社長は「将来的には、健康診断などの制度が未整備の東南アジア地域で同事業を展開させたい」と展望を語った。

  2社は10日に同事業の協業契約を締結。16日に事業の発表会見を開いた。同事業は、岩手を中心とした産学官ネットワーク「東北ライフサイエンス・インストルメンツ・クラスター(TOLIC)」の新規事業創出プロジェクトの一環としても進められる。


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