盛岡タイムス Web News   2017年 10月  20日 (金)

       

■  燗狂尺 酔いを計ってさじ加減 吉田茂さん考案アルコール計算尺 セミナーや社員教育活用を


     
  アルコール計算尺「燗狂尺」を考案した吉田茂さん  
  アルコール計算尺「燗狂尺」を考案した吉田茂さん
 

 盛岡市清水町の吉田茂さん(66)が考案した、酔い加減を簡便に計測できるアルコール計算尺「燗狂尺(かんきょうじゃく)」が、注目されている。酒の種類や量を選んで中央の滑尺をスライドさせ、上下の固定尺の目盛から酔いの状態や摂取エネルギーの値を調べられるアナログ計算器。シンプルな作りで簡単に測定できるため、適正なアルコール摂取を推奨するセミナーや社員教育のツールへの活用を勧めている。

  アルコール健康医学協会の公表データを元に作成。滑尺で酒の種類と量を設定し、酒の杯数ごとの酔いの状態、カロリー(熱量)、ジュール(エネルギー量)などを調べる。測定できる種類と1杯の基準量は、ビール(350_g、500_g)、日本酒(180_g)、焼酎(同)、ワイン(213_g)、ブランデー(50_g)、ウイスキー(同)、ウイスキーの水割り(原酒37・5_g)。ブランデーはアルコール度数50度、ウイスキーは43度で計算されている。

  酔いの状態は爽快期、ほろ酔い期、酩酊初期、酩酊期、泥酔期、昏睡期の6ステージに分類しており、しっかりと酔った状態となるのは、純アルコール摂取量が60cを越える酩酊期から。同尺で見ると、ビール(500_g)を3杯飲むと酩酊期に入る。酒の量を変えて計ることもでき、吉田さんが独自の感覚で導き出した酒が強い人向けの「酒豪」ラインで計測するのも面白い。

  緻密ながらも遊び心が見られる同尺は、吉田さんが県環境生活部資源循環推進課在籍中の2006年に制作したもの。原点となったのは、県民からの問い合わせをヒントに作った同じアナログ計算尺の「環境尺」。ガソリンや生ごみ、汚水などの消費や処理で発生する二酸化炭素(CO2)量を測定できる物差しで、これを元に「燗狂尺」やグラム当たりのカロリーを示す「熱量尺」、セシウム量から放射線量、被ばく量を導き出す「放射線尺」など10種類ほどの計算尺を考案した。

  退職後、県産業廃棄物協会代表理事となった吉田さん。会員向けに開催した酒についての講演会で燗狂尺をプレゼントしたところ、「ありそうでなかった品」と高い評価を得た。そこで今年8月に、アルコール度数だけで酔いの状態を測れる「燗狂尺ユニバーサル」も制作した。

  吉田さんは「アルコール度が強い酎ハイがはやり始めたことが気になり、作成した。人間の胃の容量は約1g。流行している酎ハイのアルコール度数は9%で、約1gで酩酊期に入る。酒メーカーが9%にこだわる根拠が分かった」とうれしそうに振り返る。「年を重ねるごとに視野が広くなり、新しいことへの挑戦に疲れを感じなくなった。驚きと発見が楽しくて仕方ない。また新しい尺を作りたい」と意欲を見せた。

  燗狂尺の型紙、使い方などは同協会ホームページ(http://www.iwatesanpai.or.jp)トップの「会員の方へ」のお知らせ欄に掲載している。

  吉田さんは盛岡市出身。盛岡一高を卒業後、岩手大工学部応用化学科に進学。岩手大大学院工学研究科の修士課程を修了。県職員を11年3月に退職した。
(飯森歩)


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