盛岡タイムス Web News   2017年 10月  31日 (火)

       

■  プロの技で心豊かな時間 高齢者に岩手セイエイ百貨店 生活衛生同業組合中央会 理美容や飲食を出前


     
  プロの料理を楽しみ、会話を弾ませる、ゆうあいの街の高齢者  
  プロの料理を楽しみ、会話を弾ませる、ゆうあいの街の高齢者
 

 県生活衛生同業組合中央会(澤田克司会長)は、老人ホームなど県内の社会福祉施設に、実費相当の負担で飲食や理美容など生活衛生サービスを出前する事業「岩手セイエイ百貨店」を始めた。施設で暮らす高齢者らに、プロのサービスを楽しむひとときを提供し、心豊かな暮らしを応援する。料金を得て継続して社会貢献する事業は、全国に先駆けた取り組み。高齢者を地域全体で支える「地域包括ケアシステム」を考える上でも注目される。

  「岩手セイエイ百貨店」の開所式は30日、盛岡市北飯岡1丁目のサービス付き高齢者向け住宅「ゆうあいの街」で開かれた。同中央会の吉津賢次郎副会長(県すし業生活衛生同業組合理事長)は「高齢者の方々が心豊かに過ごせるよう安全、安心なプロのサービスを提供する。これを機に組合同士さらに連携し、地域の活性化に取り組んでいきたい」とあいさつ。千葉茂樹副知事ら来賓とともにテープカットし、事業開始を祝った。

  会場のデイルームには理容、飲食業など5組合がブースを設け、施設利用者約30人に、すしやそば、デザートなどを提供。散髪希望者にはベテランの理容師が対応し髪を整えた。夫婦でテーブルを囲んだ本木かじ子さん(76)は「居ながらにしてプロのサービスを楽しめるのはありがたい」と喜んだ。

  岩手セイエイ百貨店の出前型サービスには、同中央会加盟の12業種の組合が協力。理容、美容(メーク、ネイル)、にぎりずし、そば、中華料理(麻婆豆腐、水ギョーザ)、しゃぶしゃぶ、カクテル・ひきたてコーヒー、和風デザート、季節料理の合わせて9種のサービスメニューを用意している。施設側は原則二つ以上のサービスを組み合わせて発注する。料金は30人までで、すしが3万円、他のサービスは2万円(消費税は別途)。

     
  岩手セイエイ百貨店の出前型サービス開始を祝いテープカット  
  岩手セイエイ百貨店の出前型サービス開始を祝いテープカット
 


  同中央会は2014年度から3年間、厚労省の補助金を得て、出前型サービスのモデル事業に取り組み、仕組みの構築を図ってきた。全国生活衛生営業指導センター(東京)の伊東明彦事務局長は「ボランティアで実施している例は多いが、費用の面で長続きさせるのが難しい。組合員の売り上げにも結びつく形で展開する仕組みは、全国でも初めてのケース。高齢者福祉に関わるマンパワーの不足が指摘されている中、非常に大きな力になるはず」と期待する。

  ゆうあいの街の赤坂良子所長は「いつもより笑顔も多く、会話も弾んでいる。自由に外出できる高齢者ばかりではないので、プロの技の出前は、いい刺激になる」と歓迎。「施設で企画するイベントの内容や予算に合わせて、サービスを取り入れていくことは可能だと思う」と話した。

  岩手セイエイ百貨店・出前型サービスの問い合わせ、申し込みは、県生活衛生同業組合中央会(電話019―624―6642)へ。


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