盛岡タイムス Web News   2017年 11月  17日 (金)

       

■  核のごみ特性マップで意見交換 資源エネ庁とニューモ 謝礼動員問題を陳謝 最終処分めぐり荒れる


     
  科学的特性マップに関する意見交換会(16日、盛岡市内)  
  科学的特性マップに関する意見交換会(16日、盛岡市内)
 

 高レベル放射性廃棄物の最終処分(地層処分)に向け、国が7月に公表した科学的特性マップに関する意見交換会は16日、盛岡市内で開かれた。経産省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO=ニューモ)の主催。全国各地で開かれ、他県で謝金を払って学生を動員させた問題発覚後初の開催で、NUMO役員が冒頭陳謝。会場は、いわゆる核のごみについて福島原発事故など国の原子力政策を含めて抵抗感がにじんだ。憤慨して退席する参加者も出るなど荒れ模様だった。

  16日は49人の申し込みに対して46人が参加した。エネ庁とNUMO、発生者責任を担う東北電力、地質学が専門の大学教授が地層処分やマップ、処分方法の安全性や妥当性などを説明。その後グループに分かれて意見交換があった。

  NUMOの伊藤眞一理事は冒頭、謝金による動員について「公正性に対する不信を招きかねないもので、(広報業務)委託先の管理が十分ではなかった。深くおわびする」と陳謝する一方、「こういう意見を言ってと指示はなく、議論に影響するものではなかった」と弁明した。

  参加した三陸の海を放射能から守る岩手の会の永田文夫世話人は「業務を委託したNUMOの責任への言及がない。いきさつや反省、責任の所在の公表がなければ、今後も起こりうるし、過去にもあったとみられる」と苦言を呈した。

  説明によると、地層処分は核のごみを安定したガラス固化体にして、地上から300bの地下深部へ埋設。地層処分場は地上施設1〜2平方`、地下施設が約6〜10平方`で、4万本以上を埋設する容量を確保し、現時点で既に2万5千本分が存在する状態にある。

  処分場の決定は、市町村からの受け入れの応募制。都道府県や市町村から反対があれば、選定作業を中止させるという。

  東北経済産業局の瀧川利美資源エネルギー環境部長は「将来世代に先送りせず現在の世代で解決の道筋をつける必要がある。地層処分について考慮すべき科学的特性を地図に分かりやすく記した。処分法やリスクにどう対処するか意見交換会は皆さんに理解を深めてもらう長い道のりの最初の一歩の位置付け」と呼び掛けた。

  参加した男性からは「今後さらに稼働させて1万5千本が新たに発生し(既存の2万5千本を含め)4万本を超えたら2番目の処分場が必要だ。廃棄物がこれ以上増えない、原発を再稼働しない前提にしないと対話にならない」と指摘した。

  エネ庁の岡本洋平放射性廃棄物対策課長補佐は「安全確保を大前提に原発を動かしていくのでいずれ出てくる。処分場の計画は4万本以上で、上限については設計や場所にもよる」と答えた。

  別の参加男性は「門外漢に対して言い含めるような説明で批判的な気持ちで聞いていた」と述べ、意見交換会が開かれない福島県について触れ「処分できないものをなぜ作り続けるのか」と憤慨。回答や説明を聞かず会場を去った。


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