盛岡タイムス Web News   2017年 11月  20日 (月)

       

■  大ケ生の里探訪ツアー 金山など歴史や民俗学ぶ 学芸員と地域おこし協力隊企画 約50人、萬寿坑跡も見学

     
   
   大萱生金山の歴史について説明を聞くツアー参加者(上)。萬寿坑の中でツアー参加者とコウモリを見る地域おこし協力隊の池内絵美さん=中央=(下)  
   大萱生金山の歴史について説明を聞くツアー参加者(上)。萬寿坑の中でツアー参加者とコウモリを見る地域おこし協力隊の池内絵美さん=中央=(下)
 

 都南歴史民俗資料館の企画展「山のチカラ 大萱生鉱山」の開催に併せ、大ケ生金山の里を巡る歴史探訪バスツアー(盛岡市、大ケ生金山の里づくり実行委員会、市都南自治振興公社主催)が19日、同市の大ケ生地域を中心に初めて行われた。ツアーは、同館の河野聡美学芸調査員が企画し、地域おこし協力隊として今年度から同地域で活動する池内絵美さんも地域の魅力発信のため携わった。市内から約50人が参加し、金鉱山として栄えた大ケ生地域の歴史や民俗を学んだ。

  ツアー参加者は、製錬所跡などを見学後、同実行委の関係者から大萱生鉱山の歴史について説明を聞いた。同地域では大萱生氏が支配していた時代から採掘が行われていたとされ、大萱生金山は1903年に元山で廃坑が見つかって以降脚光を浴びるようになった。最盛期には約400人が金の生産に従事し、鉱石1d当たり7、8cの金が採れ、1カ月当たりレンガ1、2個の金が大阪の造幣局に運ばれていたという。

  その後、金山の坑道の一つである萬寿坑跡を見学した。外は雪が降るあいにくの天候ながら、坑道の中の温度は13度ほどに保たれ、参加者は入り口から100bほど徒歩で進みながら金が産出されていた当時に思いをはせた。坑道内には、コウモリの姿も見られ、カメラを構える参加者もいた。

  同地域には国の天然記念物に指定されている瀧源寺のシダレカツラもある。参加者は火災で焼失し、今年3月に完成した同寺の本堂で、シダレカツラの歴史について説明を受けた。現在、境内にあるシダレカツラは初代の切り株から成長した2代目で、樹齢は約200年。初代は1819年に樹高30bあまりに育った巨木を本堂の修繕の用材にしたという。

  市内から夫婦で参加した宮部幸雄さん(73)は、初めて大ケ生地域を訪れた。「国道396号を通っていて金山の看板が出ているのは見たことがあり、どんなものなのかと思っていた。実際に見て非常に勉強になり、歴史の重みも感じた。盛岡に住んでいても、意外と知っているようで知らない地域もあるので、地域を知る良い機会になる」と話した。

  東京都出身で6月に大ケ生地域に移住した、地域おこし協力隊員の池内さんは「20人の定員に50人近くの人が参加してくれて、この地域に興味を持ってる方がこんなにいることに驚いた。どんな魅力があるのかを知るためにもやってみようという企画だったので、うれしかった。いろいろな人がどういうふうに関わっていけるのか、どういう魅力があるのかまだまだ分からないので、今後も人が集うきっかけを増やし、交流人口を増やしていければ」と意気込んだ。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします