盛岡タイムス Web News   2018年  1月  19日 (金)

       

■  地域の“足”維持・確保へ 新年度策定へ 県公共交通網形成計画 来月に方向性取りまとめ


 県は2018年度、県内公共交通ネットワークの再構築に向け、市町村圏域を超えたマスタープランとして「県地域公共交通網形成計画」の策定を予定している。これに伴い住民の足となる地域公共交通を持続可能な形で維持・確保するための方向性を示すため、有識者で構成される県地域公共交通活性化検討会議(座長・南正昭岩手大理工学教授、12人)を設置。17年7月から協議が進められてきた。4回目の18日、県から取りまとめの素案が示され、意見が交わされた。

  素案は本県の地域公共交通の▽現状▽課題▽持続可能な公共交通ネットワーク構築のための方向性▽ネットワーク構築に向けた方策等―で構成。

  18日の検討会議で出された意見、17年12月に県内4地区別に開かれた市町村との意見交換も踏まえ、次回2月7日にも取りまとめられる見込み。18年度の計画策定に向けた説明も予定される。

  現状では、県交通や県北バスなど県内4事業者の路線バス利用実績の推移をみると、06年で2445万1千人あった利用者数は10年後の16年に1643万人と、約810万人も減少した。高齢化の進展や交通空白地の拡大などで、公共交通をめぐる課題が顕在化している。

  利用者の減少は事業者の運賃収入の減少等による経営悪化を招いている。不採算路線の撤退や必要な設備投資ができずにサービス水準を低下させ、さらに利用者低下を引き起こす「負のスパイラル」の局面に陥った。

  乗合事業収支状況をみると、4事業者合計で06年に2億9千万円だった経常損失は、16年に13億8千万円まで膨らんでいる。

  一定の輸送量・運行回数があり、複数の市町村にまたがった基幹となるバス路線については、国や県、市町村が補助することで運行
を維持している。この中では補助基準に満たない非効率路線も拡大している。

  現在は東日本大震災津波に伴う被災地特例などにより、全県の路線を対象に補助要件が緩和されている。基準の輸送量に満たなくても補助の対象になっている。

  17年度実績でみると、補助要件を満たさない路線は、国庫補助路線47路線中16路線、県単独補助路線17路線中8路線におよぶ。いずれも盛岡地域の路線が含まれ、国・県補助合わせて全体の3分の1を超える。国補助額4億7849万円中1億730万円、県補助5314万円中3061万円、合わせて1億3791万円が要件を満たさない計算だ。

  特例は20年度には終了することとされており、多くの路線で補助が受けられなくなる。バス路線の減便や撤退が懸念される。

  こうした中、県内33市町村のうち八幡平市や滝沢市、矢巾町など9市町で公共交通網形成計画が策定済み。現在1市で策定中、18年度に策定予定の盛岡市など6自治体が策定予定となっている。

  これを踏まえ、18日の検討会議では県と市町村との役割分担、市町村計画と県計画との整合性を図るよう求める声が出された。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします