盛岡タイムス Web News   2018年  1月  23日 (火)

       

■  岩手山火山避難計画を了承 県協議会作業部会 有識者は国へ疑問、異議


 県の岩手山火山防災協議会第2回避難計画作業部会(座長・齋藤徳美岩手大名誉教授、18人)は22日、盛岡市内で開かれた。活火山法改正に伴い策定が義務づけられた岩手山火山避難計画案が、おおむね了承された。気象庁は計画策定に先立ち、既成の岩手山防災ハザードマップに基づいて、岩手山の噴火警戒レベルを見直した。県は国の指示に基づきレベルに応じた計画案をまとめた。しかし、有識者の委員はレベルや国の指示に対して疑問や異議を唱えた。

 了承された計画案は資料編を除く本編部分。2月の幹事会を経て、3月開催の協議会で成案化される予定。

  噴火警戒レベルは、火山の活動状況に応じて警戒が必要な範囲、各機関などが取るべき対応を5段階で表示。最も危険度が高いのはレベル5。岩手山では2007年10月に定められ、12月から運用開始された。

  見直しに伴いレベル2の想定は従来の西岩手山の水蒸気噴火に、東岩手山の水蒸気噴火を追加。大きな噴石の到達が想定される範囲は東・西岩手山それぞれの想定火口から約2`と設定された。登山道は入り口から入山規制され、規制レベルが引き上げられた。

  レベル1は従来の「火山活動は静穏」に加え、「活動の状態によって火口内で火山灰の噴出等が見られる(この範囲に入った場合は生命に危険が及ぶ)」とされた。対応として「状況に応じて火口内の立ち入り規制等」と明記された。

  これに伊藤英之県立大教授は「火山灰が降れば噴火ではないか」と指摘。齋藤座長も「今まで出てきたことがなく平常ではなく異常。レベル2扱いだ」と主張。仙台管区気象台の長谷川嘉彦火山防災情報調整官は「検討する」と述べた。

  また、避難計画案では、風評被害対策として「活動の沈静後は協議会の協議を踏まえ、地域の安全宣言を発表するなど…」との文言も盛り込まれた。

  土井宣夫岩手大客員教授は「火山で出されたことがない。雲仙では失敗している」と異議。県総合防災室は「国の策定手引きに準拠した」と説明した。

  齋藤座長は「霞ケ関の机上で取りこぼしがないよう事細かく書かれているもの。手引きが現実に合致しているか非常に問題点がある」と苦言を呈した。

  理由として、内閣府がレベル1でも異常があれば自治体に対応を促し、手引きを改定してレベル引き上げがないまま急激に活動が活発化して噴火した場合の対応を計画に明記するよう求めたことなどを挙げた。「現実的な対応は地元自治体でするしかない。責任転嫁と言わざるを得ない」と指摘した。


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