盛岡タイムス Web News   2018年  2月  3日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 戸塚航祐 “耐寒思感”



 1月22日から1週間、強い冬型の気圧配置の影響により、過去数年間で最も強い冬将軍が襲来した。

  盛岡市では24日から27日の間、平均気温が氷点下5度を下回る日が続き、最低気温は氷点下10度の日もあった。東京でも25日に1970(昭和45)年以来48年ぶりとなる最低気温氷点下4度を観測した。そんな寒さの中、市内で車両に追突される事故に遭い、凍結した道路の恐さを実感した。

  凍結した路面を車両で走るのは毎年のことだが、今年ほど路面凍結を意識したことはない。凍結した路面の怖さを知る人は「路面を走っているのか、それとも滑っているのか」と話す。ブレーキを踏んでも車両からの手応えがなく、どんどん前方の車両に迫りながら「止まってくれ!」と祈ったことは、読者も一度はあるだろう。もしも前方にいるのが人であれば、重さ数百`の制御不能の鉄の塊に恐怖を覚えない人はいないはずだ。

  だが、路面凍結について多くの人の反応は薄い。「いつもの冬が戻ってきただけのこと。ここ数年の温かさで凍った路面に戸惑っているだけだ」と声に軽さがあった。

  本当に戸惑いだけだろうか。記者が事故に遭った日は警察に事故の通報が多かったと聞いた。むしろ「自分だけは事故に遭わない。起こさない」と思う油断から、雪慣れした県内でも事故が相次いだのではなかろうか。

  例え話だが、毎年多くの人が登る岩手山登山で「突然噴火して噴石が当たるかもしれない」と思いながら登る人は、おそらくいないだろう。だからといって、「自分だけは大丈夫。慣れている」と思う過度な自信は、他者も巻き込んだ破滅を導きかねない。

  寒さの厳しかった1月22日から27日のうち、23日は過去に1902(明治35)年の八甲田山雪中行軍遭難事件があった日だ。2月に入り和らいだとはいえ寒さは続き、雫石町では2日に氷点下20度以下となった。油断から事故に遭い、「天は我らを見放したか」とつぶやかないように運転にはくれぐれもご用心を。


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