盛岡タイムス Web News   2018年  2月 17日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 相原礼以奈 比嘉君のサイン


 
 今年の元日付の紙面で、夏の高校野球選手権100回を特集した。私の担当記事に、読売ジャイアンツに新入団した盛岡大附高の比嘉賢伸君(3年)のインタビューがあった。

  初冬の大変忙しいという時期に、恐縮しつつグラウンドを訪ねて取材。3年間の高校野球での経験やプロとしての意気込みなどを聞いた。中でも比嘉君は、甲子園を目指す上で実感した厳しさ、後輩たちに期待する思いについては、特に背筋を伸ばして真剣に語ってくれた。

  さまざま話を伺った後は、写真撮影。色紙に目標とサインを書いて掲げてもらうスタイルは、昔からよく野球雑誌の注目選手特集などで目にしていた憧れの演出だ。本人の決意が、見る人にも明快に伝わるはず。少々わくわくしながら、色紙と油性ペンを取り出して趣旨を伝える。

  すると、「サインまだ決まってないんですよ。巨人の人が考えてくれたのはあるんですけど…」との返事。入団したてで、言われてみればさもありなんと思い、普通に名前を書いてもらうことに。目標の言葉「唯一無二」は心に決めていたようで、色紙の用意と撮影はスムーズに済んだ。

  しかし、ここで比嘉君、サインのことが気になった様子。「こんな感じだった気がする」と球団の人考案のサインを思い出し、改良を加え、満足そうに「これでいい」。なんと、その場で完成させた。

  漢字の「比」に片仮名の「ガ」、英字で「KEN」、背番号の「001」を組み合わせたデザインだった。比嘉君のサインとして本採用されているかは分からないが、使えるものは何でも使ってチャンスをつかむ、新人らしい元気のあるサインと感じた。

  選抜高校野球やプロ野球の開幕が近づき、球春到来とは最近よく聞く言葉だ。同時に卒業・新入学シーズンも間近。昨年の高校野球で岩手を沸かせた球児たちも、次のステージでの生活を始める。先を見るときりがないけれど、同じ季節は二度と巡ってこないことを肝に銘じつつ、100回目の夏にも期待したい。



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