盛岡タイムス Web News   2018年   2月  19日 (月)

       

■  空き家活用に新手 盛岡市 公共的施設利用を検討 関心高まるもバンク登録低調


 盛岡市では2014年度に市空き家等の適正管理に関する条例を策定以降、適正に管理されていない空き家などに関する市民からの相談件数が増加するなど、市民の空き家に対する関心が高まっている。一方、空き家の利活用を図るための、空き家等バンクの登録件数は伸び悩んでおり、市は対策として公共的施設への活用も検討していく。16日開かれた2017年度盛岡市空き家等対策推進会議で、市が空き家などの対策の現状と今後の対応について報告した。

  空き地・空き家に関する市民の相談件数は、12年度76件、13年度77件、14年度125件、15年度178件、16年度138件、17年度(12月末現在)112件と、増加傾向にある。相談要因(17年度)としては、草木が最も多く73件、次いで建築物・工作物26件、害虫など25件。

  15年度に行った町内会・自治会との協働による実態調査を踏まえて市が調査した件数と14年度以降の相談件数を合わせた適正管理について市が把握する総数は1503件。このうち、460件は何らかの解決に至っている。

  具体的な対策としては、くらしの安全課職員が定期的に巡回して状態を確認するAランク(経過観察)が668件、市が所有者に対して文書で適正な管理を依頼するBランク(依頼)が777件と最も多い。市が所有者に対して法に基づく助言や指導などの措置を実施するCランク(特定空き家等)は58件で、行政執行をするDランクの実施件数はない。

  市は所有者への依頼でも対応してもらえないケースなど、問題解決へ時間を要している空き家については、草木の繁茂など市と地域の協働で費用を掛けずに取り組めるものに関しては所有者の同意を得た上で対策を講じることを18年度に検討していく。

  一方、利活用策としての空き家等バンクの登録件数、成約件数は伸び悩む。空き家等バンク制度は、12年12月に松園ニュータウンを対象に社会実験を開始し、15年4月からは対象区域を市街化区域に拡大している。17年度(18年1月末時点)の登録件数は、空き家が2件、利用希望者が13件。成約件数は16年度1件、17年度2件にとどまる。

  市はバンクへの登録推進を図るため、現地調査を実施した結果、18年1月末時点で調査済みの2077件のうち、すぐに利活用可能な物件が287件、老朽化などでそのままでは活用が困難な物件が816件、既に居住者がいたり、共同住宅や店舗でバンク対象外の物件が974件だった。

  すぐに利活用が可能な物件287件に対しては、庁内の課税情報などから所有者情報を把握できた196件についてバンクへの登録の意向をアンケート調査した。回答件数125件のうち、バンクへの登録を希望する件数はわずか3件で、「今後利用する予定がある」「他人への譲渡や貸し出しに抵抗がある」「他人に売却、賃貸する予定がある」などが登録しない理由として記載があった。

  市は、登録物件数を増やすため登録意向アンケートの継続実施をしていく他、活用推進につなげるため地域の公民館や集会所、地域交流サロン、子育て支援施設など公共的施設として空き家の活用を想定する。バンクへの新規登録時に関係課への情報提供や公共的施設へ活用する際の改修などへの国庫補助の活用など支援施策も検討していく。 


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