盛岡タイムス Web News   2018年   3月  2日 (金)

       

■  来春採用の就職活動解禁 岩手大などで合同説明会 人材確保へ企業に工夫


     
  採用活動の解禁に合わせ開かれた岩手大の合同就職説明会  
  採用活動の解禁に合わせ開かれた岩手大の合同就職説明会
 

 2019年春の卒業予定者向けの採用活動が1日解禁され、県内でも大学や民間が主催する合同就職説明会が始まった。経団連が16年春卒業の学生から、広報活動の開始時期を12月から翌年3月へ繰り下げ。学生は、6月の選考活動開始まで3カ月間で会社説明会、エントリーなどを行わなければならない短期集中型の就職活動となる。景気を背景に、学生優位の売り手市場と言われる中、企業側も人材確保に向けてインターンシップの回数増加や説明会の手法などを工夫している。

  16年度卒業生の県内就職率は岩手大が39・9%、県立大が43・5%。両大学とも県内企業を巡るバスツアーを開催するなど、地元定着に向けた取り組みを実施している。県立大では、ソフトウェア情報学部の県内就職率が21・4%と他学部と比べ低いが、同分野の県内求人そのものが少ないことに加え、学部の5割超の学生が県外出身者ということもあり、単純比較はできない状況。

  岩手大と県立大では、1日から3日まで合同就職説明会を開催。岩手大は事業所330社(県内121社)が参加し、1日は学生445人が会場を訪れた。県立大は事業所152社(県内90社)が参加し、3日間で学生約370人の参加を見込む。

  岩手大の会場では、スーツ姿の学生が、各企業のブースで1回40分間の説明を受けた。同大では、時間を区切って企業の説明を聞くターム制を設け、午前4回、午後4回の計8回を実施。参加した学生は、メモを取りながら担当者の話を熱心に聞き、疑問点などを質問していた。企業側も、ディスプレーに企業紹介の映像を映したり、自社製品の試食を行うなど、学生に興味を持ってもらえるように工夫を凝らした。

  首都圏などでは、厳しい人材獲得競争の中で3月1日の解禁を前に採用活動を前倒しする動きも一部にある。北日本銀行(盛岡市)人事部の小泉博伸調査役は「確かに感じているが、こちらもインターンシップの回数を増やしたり、たくさんの支店があるので開催の拠点を複数にするなどの工夫をし、追随していくしかない」と話す。

  白石食品工業(同)管理本部総務部総務課の高橋直人係長も「昨年からインターンシップの回数も増やし、質も高めている。若手社員が構成したプログラムで、働きがいや仕事の中身を分かりやすく説明している。インターンシップで会社に興味を持ってもらうケースも多く、昨年は予定数を確保できた」と話す。「東北の人口が減る中で、新しいものを作り出していくことが必要。豊かな発想や食への興味を持ち、食から暮らしを応援できる人材を確保したい」と意欲を見せた。

  タカヤ(同)は、16年は採用予定数を確保できなかったが、従来はベテラン社員が対応していた説明会での企業説明を若手社員に任せ、17年は予定数の採用につなげた。同日の説明会でも入社1年目の岩手大卒の社員が学生に業務内容などを説明。同社総務部の白蘭さんは「若手が活躍できる職場ということが学生にも伝わる。インターンシップも夏だけだったものを、今年から冬にも開催した。専門職の不足がまだ課題なので、冬のインターンシップなどがうまく採用につながれば」と期待した。

  食品関係の就職を希望する岩手大農学部の藤森佑佳さん(21)は「県内に就職したい気持ちもあるが、県外に出てみたい気持ちもある」と悩む。短期間での就職活動に「企業のホームページなどは見ていたが、インターンシップには参加していない。説明会が解禁されないと詳しい企業の情報が分からない。やっぱりきょうから本格的に就職活動が始まり、周りがどれくらい動いているかが気になる」と話した。

  岩手大理工学専攻1年の生内幸亜さん(23)は、自動車関係やメーカーへの就職を目指す。学生の売り手市場と言われるが「内定が出て就職活動が終わってからその状況が分かるので、学生の気持ちとしては売り手市場という感覚はない」と冷静に受け止める。一方、「友人はインターンシップに行っていたが、大学院生で忙しいことから甘えていた部分もあり、焦りはある。きょうから就職活動を本格化させる。自分の学科の卒業生がどういうところに就職しているかを見て、自分の学んだことが生かせるフィールドで就職先を探したい」と意気込んだ。


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