盛岡タイムス Web News   2018年   3月  3日 (土)

       

■ 〈体感思観〉万感心に留め、挑戦にエール 馬場恵


 平昌パラリンピックの距離、バイアスロンに出場する高村和人選手(35)=県立盛岡視覚支援学校実習教諭=の壮行会が先月19日、盛岡市内で開かれた。障害者スポーツの支援者や教員仲間ら約70人が参加。そこで語られた熱い言葉に心打たれた。

  高村選手は秋田県田沢湖町(現仙北市)の出身。母校の仙北市立生保内中の佐川俊也校長が、当時の担任教諭からのメッセージを紹介した。

  運動神経抜群で小学校時代はサッカー、野球、陸上競技と大活躍だった高村選手。ところが、視力と視野が徐々に低下する網膜色素変性症を発症。中学では勉強もスポーツも、思うようにはいかなくなる。友達にも理由を打ち明けられず、苦しい日々が続いた。

  「活躍したい気持ちがいっぱいなのに、活躍できていなかった…」。担任教諭は、当時の高村選手の悔しさを思いやりながら、「パラリンピックの大舞台で力いっぱいの勝負を」と励ましの言葉を寄せた。

  高村選手は当時、担任教諭が自分の気持ちを察していたことに気付いていなかったのだろう。自身も教員として生徒に向き合う立場になり、余計、胸に迫るものがあったようだ。「ちゃんと見ていてくれた。先生ってありがたい…」。感謝の言葉を述べながら、涙があふれた。

  視覚に障害があってもできる職業やスポーツは増えているが、まだ限られている。「必ずしも自分の得意分野でないかもしれない。けれど、チャレンジすることで得意分野に変えていく。挑戦することを大事にしたい」と高村選手。転んでも起き上がり、滑走する自身の姿が力になればと願う。

  高村選手の妻の真樹さん(43)は「生徒たちのため、次の世代のために頑張りたい、何か残したいという本人の気持ちがとても強い」と夫の挑戦を見守る。
  平昌パラリンピックは9日に開幕。その場に立つ選手たちの万感を心に留め、声援を送りたい。



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