盛岡タイムス Web News   2018年   3月  15日 (木)

       

■  「みなし仮設」終了で困窮も もりおか復興支援センター 住宅問題で相談増加 複合的な課題 孤立化懸念


 東日本大震災の発災から11日で丸7年が経過した。もりおか復興支援センターによると、沿岸被災地などから盛岡市内に避難し、センターに登録しているのは2月末現在で557世帯(前年同期比28世帯減)、1183人(同31人減)。2017年度のセンター利用者数は2月末現在で延べ1万3569人となった。盛岡市内にも災害公営住宅が整備されるなど復興が進む一方、複合的な課題を抱え、孤立化を深めかねない被災者もいる。被災者支援事業から一般の福祉事業への移行も念頭に、個々のケースに応じた丁寧な対応を継続する。

  センターの利用状況は2月末現在で、窓口相談が640件、電話対応が4915件、見守りが必要な世帯などへの訪問が2015件。市内への内陸災害公営住宅の建設が発表され、入居者の募集が始まったことで相談が急増。電話での相談対応は前年度を2千件以上、上回った。

  応急仮設住宅の供与期間は沿岸6市町で8年間まで延長が認められたが、延長が認められるのは▽自立再建での移転先が決まっている▽建築中の災害公営住宅に入居予定―など特定の要件を満たす人のみ。盛岡地域の「みなし仮設住宅」も、沿岸市町村の応急仮設住宅と同じ取り扱いで、要件を満たさなければ、家賃負担が生じる。センター登録世帯のうち、みなし仮設住宅の利用は2月末現在で178世帯に上る。

  センターに登録している全557世帯の収入状況を見ると、家賃補助が終了すると生活困窮の可能性がある世帯が59世帯(10・6%)、生活保護の可能性がある世帯が32世帯(5・7%)、既に生活保護を受給している世帯が17世帯(3・1%)。

  センターは、これまでも制度周知に努めてきたが、将来の住まいの見通しが立てられないまま、家賃が支払えなくなったり、退去を迫られたりする被災者もいるとみて対応を強化。複合的な課題を抱え、難しい状況に陥っている世帯ほど、孤立化を深める傾向があり、関係機関が連携して支援の手を差し伸べる必要があるという。沿岸出身者の交流機会の提供や市内に整備が進む災害公営住宅のコミュニティーづくりの支援活動にも引き続き力を入れる。

  市内の内陸避難者は比較的、若い世代も多いが、それでも約4割が60歳以上。センターの相談支援員らが直接、面接した内陸避難者の世帯員621人のうち、持病により通院・入院している人は446人(71・8%)、介護を受けている人は98人(15・8%)で、医療や介護のニーズも高い。

  金野万里センター長は「国の復興事業の終了も迫る中、被災者支援事業を一般の福祉施策やサービスに、スムーズに手渡していく準備も進めなければならない。ただ、支援が必要な被災者はまだ多い。既存の施策に、うまくマッチするよう仲介役を果たしながら、個々に寄り添う伴走型の支援を続けていきたい」と話す。


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