盛岡タイムス Web News   2018年   3月  17日 (土)

       

■ 医療資源の不足に対応 県保健医療計画 18年度からの最終案


 
 県は次期県保健医療計画の最終案をまとめ16日、開会中の県議会環境福祉委員会に説明した。計画期間は2018年度から23年度までの6年間。将来にわたり安心して保健、医療、介護のサービスを受けられる体制を確保していくための総合計画に位置付け、取り組みを推進する。医療資源が不足する中、県民一人ひとりが地域医療を支える「県民総参加型」の地域医療体制づくりや東日本大震災津波からの復興に向けた取り組みも盛り込んだ。22日に開かれる県医療審議会の協議を経て今年度内に策定する。

  県によると、県内の高齢者人口割合は2017年の31・9%から2025年には35・5%に伸びる見通し。広い県土に人口が散らばり、少子高齢化がさらに進む現状を踏まえ、専門的なサービスを効果的、効率的に提供するための方策を検討した。

  これまで同様九つの二次医療圏を設ける一方、精神疾患や周産期に関しては医療資源が限られていることを踏まえ広域的な4圏域を設定して対応する。基準病床数は県内全域で1万1938床で、既存病床数(昨年9月30日現在)に比較し、1011床少なくなった。盛岡医療圏は616床少ない5253床とした。

  団塊世代が後期高齢者となる25年度における病床の必要量は、県全体で高度急性期が1030床、急性期が3333床、回復期が3696床、慢性期が2617床と推計。一方、在宅医療は1日当たり1万3780人への対応が必要になると見込み、居宅だけでなく介護施設なども含めた在宅医療体制整備に取り組む必要があるとした。

  疾病対策では、がん、脳卒中、急性心筋梗塞などの血管疾患、糖尿病、精神疾患の他、本県独自に認知症の項目も掲げ、主な取り組みを示している。 認知症対策では、認知症サポート医が各市町村に配置されるよう支援。認知症初期集中支援チームによる早期診断・早期対応に向けた包括的・集中的な支援体制の構築を図る。

  脳卒中は、死亡率全国最下位レベルのからの脱却を目指し、検診受診率向上によるハイリスク者の早期発見や生活習慣の改善に継続して取り組む。発症早期の脳梗塞に有効な薬剤治療である「tPA療法」など、適切な治療ができる医療機関の体制整備や連携体制を促進するとした。

  周産期医療や小児医療、救急医療、災害時における医療、へき地 (医師過少地域)への対応、在宅医療についてもそれぞれ重点施策を掲げて取り組みを推進する。医療連携における歯科医療の充実も盛り込み、がん治療前の口腔ケアの推進や高齢者の口腔機能低下防止などを挙げた。

  保健医療を担う人材の育成・確保では、奨学金養成医師が地域偏在しないよう適切な配置を推進。看護職員養成施設の入学者拡大に向けた働き掛けの他、潜在看護職員の再就業を促進する。地域保健医療対策では、アレルギー対策が新たに盛り込まれ、アレルギー疾患医療拠点病院の選定を含めた体制整備や医療従事者、教職員らへの情報提供、啓発による重症化予防などを進める。

  東日本大震災からの復興では、沿岸被災地のプライマリ・ケアの早期回復を図るため、民間診療所などの移転新築などに向けた財政支援を継続。県こころのケアセンターや保健所、市町村などの連携により、被災者や支援者を対象にした心のケアの取り組みを続ける。


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