盛岡タイムス Web News   2018年   3月  20日 (火)

       

■  チャグ馬を後押し 滝沢市内の女性3人 1頭の共同馬主に 「減るの寂しい」と発起


     
  第二昇栄を囲む伊藤さん、大坪さん、佐藤さん、加藤さん(左から)  
  第二昇栄を囲む伊藤さん、大坪さん、佐藤さん、加藤さん(左から)
 

 岩手の初夏の風物詩。チャグチャグ馬コ行進に出場する馬コの増頭を目指し、滝沢市民による新たな取り組みが動き出した。近年、馬を維持できずに手放し、行進に出場する馬の頭数を減らしている状況に、市内の女性3人が一念発起。同市鵜飼細谷地の大坪厩舎(きゅうしゃ)の大坪昇さん(80)に馬コのために協力を申し出て、2017年秋に馬の第二昇栄(雌10歳)を共同で購入。新たな馬主となった。第二昇栄は妊娠しており、4月に出産を予定。馬主が増えることで馬が維持され、減少傾向にある馬を増やす新たな取り組みとして期待される。

  馬は同市卯遠坂の伊藤文子さん(68)、大沢の佐藤礼子さん(70)、巣子の加藤優子さん(67)の3人が共同で購入。きっかけは2017年の馬コ行進で、大坪厩舎から出場した馬が前年度に比べ4頭減となったこと。8年にわたり馬の引き手をしている伊藤さんが心配し、大坪さんに協力を申し出た。申し入れに対し大坪さんは、馬を飼育する人がいなければ頭数を増やせないため、伊藤さんが馬主となり馬の飼育などを大坪さんが行うことを提案した。

  伊藤さんは「馬が減ることが寂しく、1頭でも増やさなければと思った。一人で購入は難しくとも、数人ならば購入できると考えて友達に声を掛けた」と理由を語った。加藤さんも「かわいい馬のために少しでも参加できればと思った」と話す。

  今回の取り組みでは馬の世話を大坪さんが行い、伊藤さんらは馬主として飼料代などを支払う。伊藤さんらはチャグチャグ馬コ同好会会員に馬の貸し出しを考えており、同様に馬主に名乗り出る人が増えれば、行進の出場頭数も増えるものと期待される。

  取り組みは10年前に大坪さんが考えた企画が下地にある。大坪さんは、10年前から馬コの頭数が減少傾向にあることを憂いていた。当時の企画では、一般の人が気軽に馬と親しめる団体を作り、馬の世話は団体の会員で行う構想。会員が希望すれば馬を所有できる仕組みを考えていた。

  大坪さんは「馬の飼育費用や日々の世話など、馬主として馬を維持するのは大変なこと。だが、誰かが馬主にならなければ馬は少なくなっていく。今回のことをきっかけに、自分も馬主になりたいと考える人もいると思う」と期待した。

  取り組みは、市も新たな馬振興として期待。今回のように大坪さんの厩舎で世話する馬主の負担が少ない仕組みが広まれば、飼育場所と日々の世話ができずに飼育を諦めていた人も、もう一度飼育を考える可能性があるという。

  第二昇栄は人に慣れた気の優しい馬。そんな馬に佐藤さんは「子どものころ、畑に行くときに馬車の後ろに乗せてもらった」と馬に親しんだことを思い出していた。

  伊藤さんは「馬は目がすごく優しいのが魅力。素直な感じが伝わってくる。子馬が生まれたら、お母さん馬と一緒に歩く姿を見たい」と話し、春に会える親子の姿を思った。


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