盛岡タイムス Web News   2018年   3月  31日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 藤澤則子 作文で新しい自分を


 「東日本大震災の体験を書くことで、忘れてはいけないという思いが強くなった」「自分の将来を考えるきっかけになった」。2017年度、作文の全国・東北コンクールで入賞した2人の中学生を取材した。同じ中学校に通う15歳、13歳の2人に、「書くこと」の可能性を教えてもらった気がしている。

  盛岡市立飯岡中3年の大桜美琉さんは、東北電力第43回中学生作文コンクール(東北電力主催)で優秀賞を受賞。「私の道標」のタイトルで、介護職を目指して学ぶ母の姿に、目標に向かって努力することの大切さをつづった。進路に悩んでいた大桜さんにとって母の姿は心強く、「介護の道に進みたいとも考えるようになった」と言う。

  同中1年の竹内碧渚(みなぎ)君は、第8回「言の葉大賞」(言の葉協会主催)で入賞。震災当時の幼稚園の先生との再会を機に、「僕の記憶」と題して作文に取り組んだ。忘れかけていた記憶に気付き、震災に備えるためにも「みんなに伝えたい」という気持ちを高めた。

  2人の作品が続けて受賞したのは、自分自身と向き合う2人の姿勢とともに、多感な中学生の気持ちに寄り添った担当の先生の存在もあったと思う。大桜さんも担当教諭への感謝の気持ちを口にしていた。

  文章は一人で書いていると、分かりにくさや間違いを見落とすこともある。記者が何度も読み返して出稿した記事でも、デスクや同僚記者に赤ペンで指摘を受けることもしばしば。そのたびに気持ちを引き締めている。

  作文は新聞記事とは目的が異なるが、先生でも親でも身近に助言してくれる人がいて、自分の気持ちを伝えるための文章を練ることは、その人の大きな財産になる。

  言葉を選ぶことは、相手を思いやることにもつながる。作文を通して新しい自分に出会え、他の誰かと思いを共有できたら素晴らしいこと。小中学生に発表するチャンスはたくさんある。「作文は苦手」という人こそも、新年度ぜひチャレンジしてほしい。



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