盛岡タイムス Web News   2018年   4月  18日 (水)

       

■  県内外国人労働者が過去最高 17年10月末時点で3999人 実習制度の広がりも影響


 県内の外国人労働者が2017年10月末時点の調査で3999人(前年同期比581人増)と、過去最多となった。岩手労働局が発表した10月末時点の数値で、外国人を雇っている企業も733社(同69社増)と、雇用届出を義務化した2007年以降の最高値を記録。中国、ベトナムの労働者が半数を占め、「技能実習生」が全体の6割を占める。外国人の雇用は、東日本大震災の影響で一時落ち込んだが人手不足の進行、国の政策、インバウンドの増加などを背景に門戸が広がり、海外の労働力に頼る動きが見え始めている。(飯森歩)

  県内の外国人労働者数は11年に1676人まで落ち込んだが、技能実習生、留学生として来日する外国人が徐々に増え、過去最高数となった。

  外国人労働者を出身国別でみると、中国1339人(前年同期比0・1%減)、ベトナム1094人(同42・8%増)、フィリピン763人(同28・2%増)、アメリカ184人(同7・6%増)と、ベトナム、フィリピンの伸びが大きい。10年前は中国出身が7割を占めていたが、同国の経済成長から来日数は減っており、東南アジア地域の人材の流入が顕著に見られる

  特に増加率の高いベトナム出身の労働者は、約9割が日本の技能実習制度を利用している。同制度は「途上国への技術移転」を目的に、発展途上国などの外国人が最長5年間日本で働けるもの。昨年6月に厚労、法務、外務の3省が、ベトナムと技能実習生の受け入れ整備に関する協力覚書を締結したことも、利用者数を押し上げたとみられる。

  県内の外国人労働者で同制度の利用者数は、全体の約6割。震災が発生した11年の926人から回復し、2431人と過去最高数となった。その他の在留資格をみると、永住者や日本人の配偶者などの「身分に基づく在留資格」が854人と全体の2割を占め、大学教授や芸術者などの「専門的・技術的分野」は404人と全体の1割。留学生などの「資格外活動」は262人となっている。永住者、日本人の配偶者の労働者が814人と、08年の395人の約2倍となったことから、同局では「日本の雇用情勢の堅調さから、日本で暮らしている外国人の働く場が増えた」とみている。

  外国人労働者の就業先は、製造業が2414人と6割を占め、教育、学習支援業が325人、卸売・小売業が228人と続く。

  製造業のうち最も多いのは食料品製造業1412人で、繊維工業386人、金属製品・工業用機械器具などの製造業361人と続く。安定所別にみると、工業用製品製造企業が多い北上・水沢・一関で852人、水産加工業が多い大船渡・釜石で541人、ブロイラー生産や縫製工場が多い二戸・久慈で376人となっている。

  東北地区でみると、外国人労働者数は宮城県9337人(前年同月比1533人増)、福島県6914人(同1081人増)、山形県3221人(同423人増)、青森県2614人(同473人増)、秋田県1672人(同130人増)。震災被災県の伸び率が高い。

  増加要因は▽好景気による雇用環境の改善▽少子高齢化、人手不足▽技能実習制度の広がり―がある。高度な専門的知識や能力を持つ外国人「高度専門職」の登用も増加傾向にある。法務省が学術研究、専門・技術、経営指導・管理などをポイント制で評価し、在留を認める制度で、昨年6月時点の認定数は全国で8515件。日本企業のグローバル化を後押しする制度と位置付け、20年に1万件を目指している。

  安比高原のホテルやスキー場などを運営する岩手ホテル&リゾート(盛岡市愛宕下)は、岩手への外国人観光客数の増加から、約5年前から外国人労働者の採用を強化。台湾、中国人の社員が10人ほど在籍している。仕事内容はフロント接客やレストランでの調理、海外の旅行エージェントとの交渉、リフト券・レンタル品の手配など。外国人旅行者との通訳も任せており、インバウンドの増加から今後、雇用数を増やす考えという。

  鋼構造物製造施工業のカガヤ(同市芋田)は、07年から技能実習生の受け入れを開始。現在、中国人41人が工場の溶接作業に従事している。製造部の高橋永吉部長は「経済成長の影響は中国の地方部まで波及しておらず、中国人の来日希望数はいまだ多い。労働意欲も高く、日本語での会話も問題ない。日本人の賃金と大差がないため、会社にとって重要な働き手となっている」と話してした。同社では外国人労働者の日本語検定取得も支援している。

  同局職業安定部職業対策課の鎌滝一郎課長は「技能実習制度は外国人労働者に日本の技能を持ち帰ってもらうことが目的のため、日本の人手不足対策に直結するとは言いがたい。しかし、受け入れ態勢の整備から利用は増えていくだろう」と予想した。


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