盛岡タイムス Web News   2018年   7月  20日 (金)

       

■  ILC誘致 地元の素地高める人材を 実現へ出前授業など担う 盛岡広域振興局が初開催 解説普及員の養成講座


     
  身近な立場でILCを伝える解説普及員の養成講座  
  身近な立場でILCを伝える解説普及員の養成講座
 

 本県の北上山地へ建設が期待されている国際リニアコライダー(ILC)について、日本政府の誘致に向けた判断が示されることを控え、盛岡広域振興局はILCへの知見を深め、解説できる人材を養成するため、ILC解説普及員養成講座を初開催した。1回目となる基礎編が19日、盛岡市北飯岡のいわて産業振興センターで開講。受講生3人がILCの概要や加速器の仕組みなど講義を受け、知識の習得を図った。

  講座は基礎編1回、9月の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の視察、10月の市内小学校での出前授業の視察、参考資料を基に出前授業などでの使用を想定した教材を作成しての模擬授業を行う応用編2回の計5回開催。2019年度以降、受講生は県が主催する出前授業や地域での積極的な普及活動に解説普及員として携わる。

  講座では、県政策地域部理事兼科学ILC推進室の佐々木淳室長が「ILCの概要、ILCを取り巻く動向、ILCによる地域への波及効果など」、いわて産業振興センターものづくり振興部の今健一ILCコーディネーターが「加速器の仕組み、ILCでの研究内容について」と題して、それぞれ講義を行った。

  佐々木室長は、ILCについて「宇宙誕生(ビッグバン)直後の状態を再現することで、これまで発見できなかった粒子を解明する大型装置」と説明。20`のILCが建設され、建設10年、研究10年が行われた場合、経済効果は2兆4千億円から2兆6千億円、建設や関連企業の立地による雇用は約15・7万人から17・2万人とした。

  講義を受講した岩手大理工学部の藤崎聡美技術専門職員(45)は、出身、勤め先が岩手ということで、今の自分の立場からILCの実現に関われる絶好の機会だと感じ受講を決めた。「岩手は他の大学も含め、大きな実験施設を持っていない土地。(実験施設ができることは)物理の法則だったり、エネルギーだったり、勉強した教科書の内容がそのまま使われることがすごく体験できると思う。自分たちが勉強したことが将来役立つということが実感できることは、子どもたちの励みや目標になる。ILCが実現すると新しい分からなかったことが岩手から発信されることを伝えられれば」と意気込む。

  同じく受講生の盛岡広域振興局経営企画部の佐藤清忠IT連携コーディネーター(68)は「みんなが空想だと思っていたガリレオの望遠鏡みたいに、まさかと思うような実験装置と出合おうとしている。歴史が変わるかもしれない、それを日本の国内、県内で体験できるのはワクワクする」とILC建設実現を心待ちにする。受講後は、出前授業などにも携わることから「これから科学分野に進む子どもたちもいると思う。今までの世界観ではなく、考え方をがらりと変えるような発想が出てくる可能性がある。そういう楽しさを伝えたい」と話す。

  講座を主催した盛岡広域振興局経営企画部の早坂寛企画推進課長は「ILCが実現することでいろいろな人たちの生活にいい影響が出てくる。それも含めてILCができればどのような岩手県、盛岡地域になるか興味を持ってもらい、自分たちがそのために何ができるか考え、ILCのことを伝えていく人が必要」と受講生の今後の活躍に期待した。


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