盛岡タイムス Web News   2018年   7月  25日 (水)

       

■  トンネル実現へ始動 防災対策に整備促す 秋田新幹線 沿線7市町が期成同盟会 一丸で国やJRへ要望 横軸連携の強化にも


     
  JR雫石駅から秋田方面に向かう秋田新幹線「こまち」  
  JR雫石駅から秋田方面に向かう秋田新幹線「こまち」
 

 盛岡市、滝沢市、雫石町の秋田新幹線沿線市町は、本県と秋田県の県境で検討されている新ルートと防災対策トンネル整備実現を目指し、18日に設立された「秋田新幹線防災対策トンネル整備促進期成同盟会」による連携を機に、秋田県側との横軸連携強化を図りたい考えだ。事業費の自治体負担の考えは示されておらず課題となっているが、安定輸送実現を目指す同盟会による要望活動など、各市町の連携が進むものと期待される。

  新ルートとトンネルは、JR東日本が秋田新幹線の田沢湖(秋田県仙北市)―赤渕(雫石町)間の約18・1`で検討している。工事期間は約10年が見込まれ、実現すれば東京―秋田間の運行時間を約7分縮め、約3時間半で結ぶ。

  同盟会は、本県と秋田の沿線7市町が発起人として参加。老松博行大仙市長が会長に就任した。今年度は、国やJR東日本への要望活動、住民への啓発活動などに取り組む。

  秋田新幹線は奥羽山脈の間を通る在来線を利用しレール幅を新幹線と同じ幅に改軌、強風や雪などの影響でたびたび運休や遅延が発生。秋田新幹線での障害は、接続する東北新幹線にも影響がある。同盟会に参加した本県の3市町は、安定輸送が実現すれば本県側にも一定の効果があると見ている。また、同盟会を契機とした秋田との横軸の連携が進むと期待していた。

  盛岡市建設部交通政策課の富樫正幸課長は「震災時には、被災から1週間後に秋田新幹線が運行を再開した。防災以外にも、観光分野や文化分野での交流連携などが考えられる」とし、情報共有をしながら取り組む考え。

  秋田県境に位置する雫石町の深谷政光町長は18日の定例記者懇談会で「沿線自治体が一体で、JR東日本や国に要望していきたい」と述べた。吉田留美子総務課長は「隣の仙北市とはさまざまな形で交流があり、つながりを大事にしていかなくては」と話していた。

  滝沢市の齊藤和博都市整備部長も「従来から人的交流もある。地域間で連携していくことが第一と考える」と参加の意義を語った。

  一方で、概算で700億円を見込む事業費の自治体負担などは示されていない。秋田新幹線開業時は市町への負担はなかったが、今回も同様のスキームが適用されるかは不明だ。

  18日現在、本県は参加を保留している。県交通政策室によると、県は整備を目指す活動には賛成している。しかし、JR東日本が負担するのを基本と考え、負担率などがはっきりとするまでは「慎重な検討が必要」としている。

  同盟会は国へ自治体への負担が生じないように求めるなど要望する。沿線市町で事業への啓発も計画されており、秋田との交流と連携が進むと期待される。


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