盛岡タイムス Web News   2018年   8月  7日 (火)

       

■  岩手地方最賃審議会 最低賃金762円(24円増)で答申 引き上げ率は過去最高 使用者側は影響懸念


 岩手地方最低賃金審議会(会長・種田勝みちのく愛隣協会理事兼事務局長)は6日、本県の最低賃金を現行より24円(3・25%)増の762円に引き上げるよう岩手労働局の永田有局長に答申した。引き上げ額、率とも現行方式を導入した2002年度以降、過去最高。異議申し立ての受け付け、審議などを経て10月1日にも改定額が発効する。

  盛岡市内で開かれた同審議会の第4回会議には公益、労働者、使用者代表の委員13人が出席。種田会長を除く12人で採決し労働者と公益の委員9人の賛成で決定した。引き上げ額は中央最低賃金審議会の目安(23円)より1円高く、引き上げ率では17年度を0・18ポイント上回った。

  政府は昨年3月に決定した働き方改革実行計画で、2020年までに全国加重平均千円とする目標を掲げ、年3%の引き上げを目指すとしている。本県の現行の最低賃金738円は全国ワースト2位で、全国加重平均額848円より110円低く、最も最低賃金が高い東京(958円)とは220円の差が開いていた。

  改定額は、本県の労働者の生計費、賃金、企業の支払い能力、中央最低賃金審議会の目安を踏まえて審議。全国との格差解消を求める労働者側と地域経済の実態に即した慎重な対応を求める使用者側とで意見が分かれ、採決による決定となった。答申通り増額されれば、最低賃金の引き上げは15年連続で、3年連続で3%台の引き上げとなる。

  最低賃金は公務員を除く全労働者に適用される。岩手労働局の16年3月のまとめでは県内の対象事業所は4万2465事業所、労働者は47万7546人。最低賃金が答申額を下回る労働者の割合(影響率)は前年度を4・8ポイント上回る16・5%に上る。

  労働者代表の原利光連合岩手副事務局長は「これまでで最高の引き上げ幅となったことは一定の評価ができる。県外への人材流出が必ずしも賃金によるものではないことは理解しているが、大きな要素ではある。 全国と比べると依然として低いレベルにあり、早い段階で800円台に乗せられるよう働き掛けていきたい」とした。

  一方、使用者代表の西村豊県経営者協会専務理事は「3年続けての3%台の引き上げは中小零細企業にとって負担があまりに大きい。地方では景気が浮揚している実感がなく、中央最低賃金審議会から示される目安も根拠が薄い。中小企業に対する公的な支援策の効果は表れておらず、施策の検証と実効性のある支援が必要だ」と指摘した。


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