盛岡タイムス Web News   2018年   8月  14日 (火)

       

■ 盛岡舟っこ流し16日 古参の南大通3丁目町内会 晩夏の川に鎮魂込め

     
  南大通三丁目町内会の舟っこに手を合わせる参拝者  
 
南大通三丁目町内会の舟っこに手を合わせる参拝者
 


 盛岡の夏の風物詩「盛岡舟っこ流し」(同協賛会主催)が16日、盛岡市仙北1丁目の明治橋上流右岸で開かれる。約300年前に始まった鎮魂や無病息災を祈る送り盆行事で、同橋周辺の町内会らで製作した舟っこを順番に燃やしながら川に流す。3〜5bの船が炎を上げて川面を流れる様は圧巻で、盛岡市無形民俗文化財に指定されている。今年は13そうが流される。

  南大通三丁目町内会(吉村ことよ会長)は、江戸時代から休むことなく参加している舟っこ流しの古参者。緑色の龍の船頭、赤色の船体を特徴とする舟っこの造形を守り継ぎ、毎年町内総出で製作に取り組んでいる。7月初旬から町内の男性らで骨組みを作り、舟に飾る五色の旗や吹き流しを地域の児童らで製作。今年は下橋中11人で、龍の顔や胴体の絵柄を塗り上げ、婦人火防クラブが製作した200個ほどの紙花で船体を鮮やかに装飾した。

  出来上がった舟っこは地区内にある宰相米内光政の菩提寺、円光寺本堂に設置。13日から船に乗せる戒名の受け付けを始めた。初日から墓参りの参拝者が続々と訪れ、舟っこの前で手を合わせた。

  大阪府池田市の大学生、吉村光太郎さん(18)は「いとこや親戚に会うのを楽しみに、お盆は毎年盛岡に来ている。幼い頃は分からなかったが、船を燃やして流す行事はとてもめずらしい。船を持って川に入る担ぎ手をいつか体験してみたい」と話し、いとこで千葉県八千代市から来た史帆さん(9)は「果物や野菜がおいしい盛岡が好き。舟っこの後の花火を楽しみにしている」と話していた。

  5月に町内会長になった吉村さん(73)は「旧川原町の南大通三丁目地区は、江戸時代から北上川舟運の城下町の玄関口として栄えた歴史を持ち、心温まる古き良き人とのつながりが残る地域。舟っこ流しのような町内会行事は地域内の交流を育み、結束を深める。町内会長として若い人や新住民に行事への参加を勧め、地域の共助の心を広げていきたい」と話していた。

  約120の戒名を乗せた同町内会の舟っこは、15日に合同法要を行い、16日の本番で13番目に流す。

  舟っこ流しは、盛岡藩4代藩主・南部行信の七女・麻久子姫による川施餓鬼(かわせがき)の大法事として開始。1815年に北上川で溺れ死んだ津志田松前屋の遊女大時・小時の供養の意味として位牌や供物を乗せて流したことから、盛んに行われ出した。内容が徐々に変わり、各家庭の先祖や先亡者、戦死者などを供養する行事となった。


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