盛岡タイムス Web News   2018年   8月  20日 (月)

       

■  団体戦で盛岡三が準優勝 短歌甲子園2018 下館一(茨城)連覇


     
  石川啄木賞の表彰を受ける盛岡三の鈴木陽君  
  石川啄木賞の表彰を受ける盛岡三の鈴木陽君
 

 第13回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2018」(同実行委主催)は19日、盛岡市松尾町の盛岡劇場で団体戦の決勝トーナメント競技、個人戦公開決勝審査が行われた。団体戦の決勝には昨年優勝の下館一(茨城県)と敗者復活から勝ち上がった盛岡三が進出し、下館一が大会史上初の2連覇を果たした。盛岡三の鈴木陽君(2年)は、大会中最も先鋭的だった作品に贈られる個人賞・石川啄木賞を「転輪と火砲の砕く/中東の煉瓦を知らぬ/十三の我」で受賞した。

  作品は本県出身の歌人・石川啄木にちなみ、三行書きで作ることがルール。団体戦は3人一組で共通の題を詠み込んだ歌を発表する。5人の審査員は質問も行い、選手たちは歌の情景や表現の工夫を懸命に伝えていた。

  決勝戦の題は「光」。先鋒、中堅の競技で互いに1ポイントずつを取り合い、勝敗の行方は大将戦に委ねられた。盛岡三の大将、西山綾乃さん(1年)は「水底に鱗(うろこ)が光る/錦鯉/私の歩幅くらい大きい」で、馴染みの場所にすむ鯉の大きさと自分の成長を重ねて表現。下館一の大将、大幡浅黄さん(2年)の作品「すれ違う肩それぞれの持っている/朝の光がまぶしくて/夏」の得票がわずかに上回り、下館一に軍配が上がった。

  盛岡三は5年ぶりの出場で、団体戦の勝利は優勝した2011年の第6回大会以来という。大会前は、11年優勝メンバーで文芸部コーチの工藤玲音さん(23)の指導のもと、短歌の鑑賞や、時間を決めて題に沿った歌を詠む練習などを重ねてきた。中堅の鈴木君は「準優勝という結果を持ち帰れるのはうれしい。情景の浮かびやすい歌という持ち味が、審査員に伝わったと思う」と話す。

     
  ともに決勝戦を戦い抜き、健闘をたたえ合った盛岡三(右)と下館一の選手たち  
  ともに決勝戦を戦い抜き、健闘をたたえ合った盛岡三(右)と下館一の選手たち
 


  大将の西山さんは、短歌の魅力を「自分の気付きなどを発表して、他の人のものも聞くことができるのが楽しい」と語る。先鋒の阿部理恵さん(2年)は大会を終えて、「緊張したけれど、自分の歌に票を入れてもらえて楽しかった。交流会で他の学校の人とも話ができて良かった」と振り返った。

  下館一は、昨年と同じメンバーの2年生3人で2連覇を達成。大幡さんは「最初から、去年より緊張していた。仲間と支え合い、満足できる歌を詠むことができて良かった」と笑顔で話した。

  特別審査員を12年にわたり務めている歌人・小島ゆかりさんは、今大会を総括して「作品を作り、発表するだけでもみんな少しずつ傷つく。涙ぐましく痛ましくもあるが、健気で健やかで人間的。傷つきながらも出会いがあり、その素晴らしさを毎年この大会で味わっている。感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

  その他の結果は次の通り。(敬称略、数字は学年)

【個人戦】

▽最優秀作品賞「この街のすべてが/灰になったこと/忘れたような朝顔の花」鈴木そよか(宮城一2)
▽優秀作品賞「頼りないこの心音を抱きしめて/銀河の中に/ひとりで眠る」堀内和佐(能代2)
▽話題作品賞「青色は冷静になる色だ/とは心理学者の言った/デマカセ」江川さくら(市立函館3)、「『口』が『〇』となる筆跡君の癖/暗号を解くごと/追う我の癖」原田麻衣(仙台白百合学園2)、「朝3時/団体様でチェックイン/ビートを刻む新聞紙たち」清水透和(高崎商科大附属2)
▽特別審査員小島ゆかり賞「モノクロの世界を/反転させたひと/空の青とはこんなに青い」有吉玲(久留米大附設2)

【団体戦】

決勝トーナメント第3位・市立函館、久留米大附設
▽審査員特別賞・下妻一(茨城県)
▽話題賞・高崎商科大附属(群馬県)


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