盛岡タイムス Web News   2018年   11月  29日 (木)

       

■  盛岡市三ツ割 「ちいさな野菜畑」が閉店 農家の魅力と岩手の風味伝え 自然食品と食堂惜しまれて


     
  30日に閉店する「八百よろず屋ちいさな野菜畑」  
 
30日に閉店する「八百よろず屋ちいさな野菜畑」
 

 小本街道沿いにある盛岡市三ツ割の産直「八百よろず屋 ちいさな野菜畑」が30日、閉店する。「岩手の旬を食べる幸せ」を地域住民に届けるために約23年間、農薬や化学肥料不使用の地場の有機野菜や果物、加工品などを販売してきた。産直の増加やネット・宅配の普及、後継者がいないことなどを理由に閉店を決定。これまでの感謝を込めて、閉店セールを最終日まで実施している。

  同市山岸の小島農業経営研究所(小島進社長)が運営する同店は、1995年7月にテントの店舗からスタート。7年後に現店舗(床面積約130平方b)を構え、当時珍しい有機農産物中心の自然食品の他、知る人ぞ知る地元の山菜やキノコ、野菜、果物、みそ、しょうゆなどを販売して話題を呼んだ。客の要望で野菜をカットしたり、高齢者宅に商品を届けたりするなど、客に寄り添ったサービスで店のファンを増やし、2002年ごろには年間売上高が1億円となった。

  店内にある「こびる食堂」(36席)は、圧力釜で炊く大粒のご飯、オリジナルの豆みそと一番だしで取ったみそ汁など、ほっとする懐かしい味で高齢者の常連客をつかみ、産直では珍しい朝定食も提供していた。

     
  小島代表の思いが詰まった店内  
 
小島代表の思いが詰まった店内
 


  しかし、道の駅や産直のブーム、ネットや宅配などの流通形態の変化から売り上げが年々減少。市内で自然食品を扱う正食普及会(上ノ橋町)、マナ自然食(高松)の閉店による客の流入もなく、経営を支えてきた小島代表(67)の妻が病気で倒れたことから、決算期の11月末で店をたたむことにした。

  小島社長は「一般流通している野菜ではなく、農家で食べられている新鮮で安全な農産物を販売することで、農家の誇りと岩手の食の豊かさを伝えてきた」と振り返る。「地域循環型経済を象徴する同店の後継者を見つけられなかったことが残念。支持してくれたお客さまには感謝しかない」と語った。

  10年以上前から通う山田町の阿部歌子さん(63)は「自然食が好きで、みそやしょうゆなどの調味料はここで購入していた。買える店が他にない」と、閉店の知らせに肩を落としていた。

  サンビルに7月にオープンした食事処「もっと小さな野菜畑」は、来年1月までに運営戦略を練り、継続させる予定という。

 


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