盛岡タイムス Web News   2019年    2月   5日 (火)

       

■  見上げよ夢ブランド10 紫波町 酒かす利用に新鮮力 県外から大学生が参画 開発で日詰商店街活性化


     
  紫波、矢巾の飲食業者と酒かすマップについて話し合う小野さん、田崎さん  
  紫波、矢巾の飲食業者と酒かすマップについて話し合う小野さん、田崎さん
 

 紫波町では酒かすの有効活用に向け、インターンをきっかけに町に根を下ろし活動している大学生がいる。学生らによる活動は地域住民、飲食業者を巻き込んだ取り組みへ発展。酒かすの活用はもちろん、地域の商店街が活力を取り戻すきっかけにもなりつつある。酒かすを使った土産開発をする「しわみやげプロジェクト」にも、学生の活動は追い風になりそうだ。 (山下浩平)

  東北芸術工科大4年の小野詩織さん(21)は、2年生のときに同町宮手の廣田酒造店で長期のインターンを経験。それをきっかけに、卒業研究のテーマの舞台に同町を選んだ。大学での所属はコミュニティデザイン学科。人同士のつながりに関するデザインを学んでおり、卒研では酒かすを活用した地域活性化について、住民を巻き込み、一緒に取り組むことにした。

  また、東洋大3年の田崎菜那子さん(21)も同酒造店でのインターンを経験。「地域資源を使った地域活性化」をテーマに、酒かすを地域資源と捉え、同町日詰の藤屋食堂の協力の下、独自に商品開発に取り組んでいる。

  小野さんの卒研に合わせ2人は、酒かすを使ったメニューを提供している店などを紹介するマップを製作した。町における酒かす活用の発信へ期待が掛かる。

  また、田崎さんの活動では、日詰商店街にある鈴徳商店と協力し、きな粉などに月の輪酒造店の「酒かすパウダー」を加え、パンに合わせた商品などを開発。同商店街は、かつてのにぎわいを取り戻そうとリノベーション事業などが実施中だが、こういった既存商店と協力した取り組みも、地域の活力となりそうだ。

  小野さんは「昔からある酒かすに注目が当たり始めている。町での活動を通して、今まで眠っていたものが、地域の力になってきていることを実感している」、田崎さんは「酒かすを使った郷土料理のような、何世代にもわたり食べられていくものが生まれたら」と話し、酒かすの可能性やこれからの展開に期待した。

  町の商店や町外の学生の取り組み、同プロジェクトにより、町内での酒かす活用は徐々に活性化。四つの酒蔵を持つ町における、酒かすの活用は「まちづくり」そのものへ、つながり始めている。酒かすに関わる町民、学生らの今後の活躍へ期待したい。(同プロジェクトは継続中ですが、連載は今回で終了します)


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