盛岡タイムス Web News   2019年    2月  21日 (木)

       

■  啄木に結ぶ友好都市 盛岡市と文京区 歌人ひ孫の石川真一さん立ち合い 調印式で記念碑除幕 住民の相互理解と交流


     
  文京区と盛岡市の友好都市提携を記念し設置された記念碑の除幕式  
  文京区と盛岡市の友好都市提携を記念し設置された記念碑の除幕式
 

 盛岡市は石川啄木生誕の日である20日、啄木の生誕の地と終焉の地の縁で交流を続ける、東京都文京区と友好都市提携を調印した。同市は、新渡戸稲造を縁にカナダ・ビクトリア市と姉妹都市提携、盛岡が舞台のドラマ「どんど晴れ」主演の比嘉愛未さんの出身地の縁で沖縄県うるま市と友好都市提携しており、提携は今回が3都市目。盛岡市内で行われた調印式で、成澤廣修区長、谷藤裕明市長が提携書に調印し、提携を機に両市区の交流がさらに発展することを期した。

  両市区の交流は、同市渋民の石川啄木記念館で開催していた啄木学級が2007年度から毎年、同区で「啄木学級文の京講座」として開催されており、18年度で12年目を迎えた。11年には災害時における相互応援に関する協定、12年には啄木に関する展示・行事や資料などの収集・調査研究、啄木に関する文化事業に係る相互協力などを行う地域文化交流に関する協定も締結している。

  15年には同区に啄木終焉の地を記念する歌碑と顕彰室が完成。17年には盛岡さんさ踊りに成澤区長が参加した。18年は6月に東北絆まつりで成澤区長が来盛、7月には市町内会連合会、玉山地域自治連絡協議会、盛岡商工会議所などの関係者が同区を訪問。同年8月には盛岡さんさ踊り文京区民ツアーとして区民25人が来盛し、交流を深めた。

  調印式では、石川啄木のひ孫で立会人の石川真一さんが見守る中、成澤区長、谷藤市長が調印し、握手を交わした。提携書は「石川啄木の生誕の地である盛岡市と終焉の地である文京区は、教育文化、スポーツ、産業等の交流を促進することにより、両都市の住民相互の理解と友情を深め、永続的な友好が図られることを願い、ここに友好都市として提携する」との内容。

  成澤区長は「啄木をきっかけとした文化面での交流に加え、文京博覧会への出展や盛岡さんさ踊り文京区民ツアーの開催など両都市が互いの特徴を生かして交流を進めてきた。その積み重ねが両都市を結びつけた啄木の誕生日に友好都市提携という形で実を結んだことを光栄に思う。これまで以上にさまざまな分野で盛岡市との交流を一層深めたい。未来永劫の友好関係を祈念する」と提携を喜んだ。

  谷藤市長は「文京区は多くの文人が暮らし、近代文学発祥の地ともいわれる。石川啄木はもとより、新渡戸稲造、金田一京助など本市ゆかりの先人も住まいを構えたことがあり本市との関わりも深い。江戸時代からの伝統工芸品が数多く伝わるなど本市との共通点もあり、市民も親しみを感じている。区民から見た本市は恵まれた自然や郷土芸能など都心にはない魅力ある資源が多くある。市民相互の活発な交流は住民の心の豊かさを広げることにつながると確信している」とさらなる交流の拡大を願った。

  石川さんは「啄木が縁で始まったと聞く長きにわたる交流が、本日このような形で実を結んだことをとてもうれしく思う。啄木がこの二つの都市を結びつけたことになるが、次世代に相互の文化をこれからも残していってほしい」と話した。

  19年度は、同区側の事業として3月に区民向けの盛岡さんさ踊りの体験ワークショップ、文京さくらまつりでのさんさ踊りの披露などが予定されているほか、啄木学級文の京講座も規模を拡大して開催される。同市側の事業としては、同区の小学生を招いた市内での2泊3日の農村体験交流、岩手大と共同研究で開発する市産材ベンチチェアの寄贈、IGR渋民駅の副駅名設定などを予定する。

  調印式に先立ち、友好都市提携記念碑の除幕式も実施。碑は盛岡駅前滝の広場内の啄木歌碑建立場所の隣に設置された。高さ1b50a、横幅1b5a、奥行き30aで、啄木の第一号歌碑と同じ姫神小桜石を使用し、石川さんが揮毫(きごう)した「文京区」「盛岡市」「友好都市提携記念碑」の文字が刻まれている。

  除幕式で、谷藤市長は「記念碑を建立する盛岡駅前広場は普段から多くの人々が行き交い、さまざまイベントが開催されるにぎわいのある場所で、大勢の方々の目に触れる。記念碑が、これから先、文京区から来盛される皆さんをお迎えすると共に、盛岡市民にも記念碑に親しみを持ってもらい、文京区民との交流がさらに深まることを期待する」とあいさつした。

  同日は、提携のきっかけである啄木とも親交のあった金田一京助の孫、金田一秀穂さんによる「京助と啄木 贈与とグリット」と題した記念講話が行われたほか、調印式後のレセプションでは同区で実施している子どもの貧困対策事業「子ども宅食プロジェクト」へ、同市を管内とする新岩手農協、岩手中央農協から1・2dの白米提供を行う贈呈式も実施された。


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