盛岡タイムス Web News   2019年  4月  30日 (火)

       

■  晴天に平成最後の願掛けて 滝沢市の鞍掛山開き 頂で篠木神楽を奉納


     
  登頂を祝い、万歳三唱をして記念撮影  
 
登頂を祝い、万歳三唱をして記念撮影
 

 盛岡地域に本格的な登山シーズンが訪れた。岩手山の裾野にある滝沢市の鞍掛山(標高897b)は29日に山開きを迎え、市内外の登山愛好家が参集。晴天の下、新緑や早春の植物を楽しみながら山道を進み、山頂では眼前に広がる岩手山や、山裾の田園風景の眺めを満喫した。平成最後の同市内の山開きとして、地元の篠木神楽保存会が山頂で、県指定無形民俗文化財の演舞を奉納した。

  山開き式は開設10周年を迎えた、たきざわ自然情報センター前で開かれ、登山者約150人が集まった。

  主浜了市長は「当市は昨年7月に岩手山山頂で健康づくり宣言をし、地域と一体となった健康づくり運動を進めている。鞍掛山が登山者や市民の健康増進につながるスポットになることを願う」とあいさつした。

  市長や山岳関係者らのテープカット後、登山者たちは山頂を目指して一斉にスタート。山頂付近には残雪やぬかるみが多数あったが、朝から暖かい日差しに恵まれたため、絶好の登山日和となった。登山者たちは、山道脇に咲くカタクリやキクザキイチゲを楽しみながら、雪や泥に足を取られぬよう慎重に進み、息を弾ませて山頂に向かった。

  100人以上が登頂した午前10時半過ぎ、篠木神楽保存会(主濱春雄会長)の会員10人が獅子舞を演舞。17年まで岩手山の山開きで6回演舞しているが、鞍掛山は初めて。登山者は獅子に頭をかんでもらい、厄除けやご利益を願った。

     
  鞍掛山で初めて奉納された篠木神楽の演舞  
 
鞍掛山で初めて奉納された篠木神楽の演舞
 


  同保存会最高齢の齊藤義見さん(91)は「仲間と踊って飲んで騒ぐのが生きがい。令和の時代になっても、体力が続く限り舞い続けたい」と話していた。

  神楽の奉納後、登山者らは岩手山を背景に万歳三唱をして記念撮影をした。

  盛岡市厨川の遠藤海空さん(9)は「雪や泥があって滑りやすかったけど、一度も転ばなかった。次は、おばあちゃんと姫神山と岩手山に登りたい」と話し、岩手町五日市に住む祖母の節子さん(71)は「姫神山登山が好きで、今年も1月から数回登っている。鞍掛山は10年以上ぶり。最後の階段がきつかったが、そんな疲れが吹き飛ぶくらい良い眺め」と、山頂からの景色を味わっていた。

  鞍掛山の山開きは、県内では室根山(一関市)に次いで2番目。鞍掛山は春はカタクリ、夏はハイキング、秋は紅葉、冬はトレッキングと季節を問わず楽しめ、毎年県内外から3万人ほどが訪れる。宮沢賢治の作品の源泉となった自然景観「イーハトーブの風景地」6カ所の一つでもあり、国指定名勝に指定されている。賢治は「白い鳥」など、複数の散文詩に鞍掛山の風景を登場させている。


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