2013年 7月の天窓


 2013年 7月 31日 ―あすから盛岡さんさ踊り―
 いよいよ盛岡の夏祭り「盛岡さんさ踊り」パレードが1日午後6時から始まる。東北三大祭りをしのぐような勢いと熱い思いで祭りを成功させよう。
▼今年の観客目標は122万人としているが、青森ねぶた、仙台七夕、秋田竿灯(かんとう)に次ぐ集客力だろうと思う。今年は253団体、3万5千人の太鼓、踊りや笛などが登場し、盛岡の真夏の夜を熱くする。伝統さんさ、子どもさんさ、学校や企業、行政など各団体が参加し、「来て、観て、魅せられ、加わるさんさ」をテーマに、観客参加型の祭りをアピールする。
▼被災地復興と郷土の復興を願う気持ち、さらには「ILCの北上山地誘致」や「2016岩手国体成功」などを祈念して、勇壮で華麗な踊りで観客を魅了させる。4日は、世界一の1万太鼓の大群舞パレード。その後ろに、伝統さんさの輪踊り2カ所、一般の輪踊り3カ所。輪踊りには市民、観光客が自由に参加できる。
▼また、各日、先導パレード前の3カ所で北山郷土芸能保存会、山岸さんさ踊り保存会、盛岡さんさ踊り清流会などの藩政時代から続いている伝統さんさが披露される。日中には、駅西口のマリオス、駅東の駅前広場で「さんさ競演」が繰り広げられる。きょうの本紙「盛岡さんさ踊り特集」で日程を調べて楽しんでほしい。

 2013年 7月 30日 ―ユダヤ人救出名簿が競売に―
 先の大戦でヒトラーが率いるナチス・ドイツは、ユダヤ人を嫌悪し絶滅作戦を強行する
▼ドイツのほか近隣諸国も含め強制収容されたのは、6百万人前後に及ぶ。大半は毒ガス使用の処刑室に送られている。狂気のホロコースト(大虐殺)だ。そのさなかに命懸けでユダヤ人救出に挑んだ人がいる。元リトアニア領事代理の故杉原千畝氏もその一人
▼外務省の訓命に背いてもユダヤ人を救うと決め、国外脱出用査証を発給。約6千人を助けている。08年に他界した幸子夫人は父親の郷里が遠野でよく来県された。2度お会いしたが「あの時は一人でも多くと必死でした」と語っていたのを思い出す
▼ドイツ人実業家の故オスカー・シンドラー氏も巧みにユダヤ人を救う。ナチス党員でもある氏の工場は当初は小さかったが後にナチス系軍需会社となり急成長。資産家となる。一方、情が厚くユダヤ人弾圧が許せない
▼蓄えた金を使い切っても彼らを救うと決断。懇意の党幹部らに賄賂も与え収容中のユダヤ人を自社に次々と雇い入れる。総計約1200人の名簿をナチスに提出。当社に不可欠の人員だからと助命を嘆願。全員の処刑室送りを食い止めたのだ
▼名簿の一部を所有する人が先日、それを競売サイトに最低約3億円で売りに出している。命を救う崇高さとの落差に驚く。

 2013年 7月 29日 ―戦後68年―
 戦後68年を経過したが、盛岡市ならびに盛岡市社会福祉協議会主催による第59回盛岡市戦没者追悼式が盛岡劇場メインホールで開催された。谷藤裕明盛岡市長の式辞に続いて列席者全員で黙とうを捧げた。
▼昭和16年12月8日、真珠湾奇襲攻撃で突入した太平洋戦争開戦から既に72年が経過している。悲惨な戦争の体験を風化させてはならないし、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。また、祖国の安泰と家族を案じながら遠い見知らぬ地で戦死された犠牲者のことを忘れないでほしい。戦後、焦土から立ち上がるため苦難と並々ならぬ努力を続けてきているご遺族の努力を忘れてはならない。
▼昭和18年海軍に従軍していた父を南方海戦で失った佐々木弥一さんが遺族を代表して追悼の言葉を述べられた。
▼近年、参列されているご遺族の高齢化が進み、また、列席者が次第に少なくなってきていることが感じられた。黙とうは先の大戦で亡くなられた兵士と共に、2年4カ月前に発生した東日本大震災津波で犠牲になられた方々への祈りでもあるかのように思われた。
▼太平洋戦争といい、東日本大震災津波といい、本県の犠牲者は多かった。平和の尊さを忘れずに、また、災害防止の安全策を講じるなどして、次の世代に継承していかなければならない。

 2013年 7月 28日 ―自発の善意で女性救出―
 人の本性を善とし性善説を唱えた中国の孟子(もうし)は、4種の心理を示す
▼@他者の苦しみを見過ごせないA自分の不正を恥じるB謙虚に譲るC善悪を分別する、と。分かりやすいが後に登場した荀子(じゅんし)は孟子を批判。本性には欲望が備わりその情動は、争いや犯罪などを起こすとし性悪説を唱えた
▼これもうなずける。人の本性は善悪のどちらかではなく双方が内在し、意志ときっかけで悪行にも善行にも向かうのであろう。日本社会でも凶悪事件が相次ぐ半面、被災地はじめ苦境の人に寄せる善意がそこここで花開いている
▼陰惨な5人殺害騒動と同時期に、JR南浦和駅ホームで女性救出という感動を呼ぶ朗報もあった。22日午前。電車から降りようとした30代女性がホームと車両の間に落ち腰部を挟まれた。直後に「人が挟まれています」と放送が流れる
▼各車両は押せば伸縮の揺らぎが起き隙間が広がる構造だが重量は約32d。当初は駅員だけで押していたが動かない。事情を察知した乗客多数が降車。40人ほどが自発的に駅員を手伝い押し始めると隙間が開き、女性はけがもなく救出されたのである
▼命に関わる事態にとっさに動いた善意の救出劇は世界が称賛。反日姿勢が続く中国、韓国も報道している。性悪の証明は悲しく性善の開花はうれしい。

 2013年 7月 27日 ―TPPマレーシア会合終わる―
 マレーシアで開催されていたTPP(環太平洋経済連携協定)に、日本は初めて参加した。
▼政府は、先行11カ国を圧倒する100人規模の陣容で臨んだ。最終場面の2日半の参加で25日に全日程を終えたが、10年3月に始まったTPP交渉は既に18回の協議を終え、年内妥結を目指しているようだ。安倍首相はマレーシアのナジブ首相との会談で、早期妥結に向けて協力することで一致した。
▼日本は23日午後の交渉合流で、分野ごとの協定案と各国の主張が書かれた21分野数百nの文書をようやく手に入れ、読解したり分析することで精いっぱいだったのではないか。
▼次回の開催国はカナダになっていたようだが、突然の辞退を申し出ているようだ。年内妥結を唱える米国との関係で食い違いがあったのだろうか。東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国はブルネイになっているが、8月22日からのブルネイ会合でもさまざまな交渉がなされる見通しだ。
▼日本が農産品の関税撤廃に例外を求めていることが、交渉の長期化の理由にされるのではと先行国の間から危ぶむ声があるようだ。情報漏れを防ぐTPPのルールがあるようで、交渉内容を一切明かすことがないようでは業界や国民の判断はできない。政府はどこまで情報提供できるのだろうか。

 2013年 7月 26日 ―当確速報など参院選雑感―
 先の参院選では開票が始まる午後8時に、テレビに各党の獲得予想議席数が出たほか、開票率ゼロ段階で「当確」者氏名を表示したのだから驚く
▼NHKなどテレビ各局が投票所の出口で聞き取り調査を実施し、独自取材内容も加味して当落や獲得議席数などを予測。いち早く視聴者に知らせる手法は以前からあったが、今回は精度が高まった感がする。その自信からか。当確段階の新人にインタビュ―もしている。当選感覚で抱負まで語る新人もいた
▼比例選では所属党トップの17万票台を取りながら落選した人がいた半面、2万6千票台で当選者を出した党もある。これも話題になったが参院比例制は党名か候補名のどちらかを書く方式だ。候補名票はその人の所属党票と合算、それが党総得票数となる
▼議席数は各党の得票率を基に比例案分される。議席数分の当選者は各党内で候補名得票の多い順に決まる。各党が当選枠を想定。その枠内の複数陣営に候補名票が一定の目安以上に並ぶよう集票させる戦術もあっただろう
▼この比例制は各党の得票総数は問われるが、候補名票の多い少ないだけで票の格差論は成り立たない。だが分かりにくいのは確かだろう。参院比例制は全国区だが衆院並みのブロックに分区し、候補名だけの投票に単純化を検討してはどうだろうか。

 2013年 7月 25日 ―被災地三陸の今―
 6月には北三陸を訪れ、田野畑村の最大の難所である尾肝要トンネルの工事現場を見学した。工事中のトンネル内に入り、最新技術で復興道路の工事が進められている状況を見学できた。
▼先日は数カ月ぶりに南三陸の陸前高田市から釜石市までの復興工事の状況を視察してきた。被害がひどかった陸前高田市は工事が最盛期に入って、更地になった旧市街地では、かさ上げや防潮堤などの工事が盛んになされている。
▼周りの山は樹木が伐採されて土砂の取り崩しが行われている。ダンプカーやバックフォーといった大型の土木機械が総動員されて盛んに工事している。しかし、土木関係者に聞くと、人手不足と用地関係がうまくいかないために、契約が交わされないところは工事に入れず、一体的な工事ができない。民間や企業の工事が進まないため、全体の復興工事の工期が伸びるのではないか。地元の工事作業員がことごとく不足している。大手建設業者は関西地区などから向けられている。
▼奇跡の一本松の見学者が多いのには驚かされた。駐車場には売店やトイレもできている。貸し切りバスなどで訪れているが、東京方面からの見学者が多かった。
▼今、まさに北の久慈・小袖海岸「あまちゃん」、南の陸前高田「奇跡の一本松」が観光に沸いている。

 2013年 7月 24日 ―釜石の照井翠さんに俳句四季大賞―
 県立釜石高校国語教師の照井葉子さんは、照井翠の俳号を持つ俳人でもある
▼東京四季出版社が優れた句集に贈る第12回俳句四季大賞が今月7日、震災詠223句を収めた翠さんの第五句集「龍宮」に授与された。龍宮城のようなお城が本当にあるなら、そこで安らかに過ごしてほしいとの鎮魂の思いを題名にしたという
▼作品にもその心情があふれている。発震の日の釜石は雪模様。その情景も「喪へばうしなふほどに降る雪よ」と死者の多さを降る雪に重ねて悼む。生徒たちと同校体育館に避難した初日の夜、雪はやみ仰ぐ空は澄みわたり星々がきらめく。それを亡き人々の魂の光と見て「春の星こんなに人が死んだのか」と詠嘆する
▼父母らが生徒を迎えに来るが誰も来ない子もいた。同校では両親を亡くした子が4人。片親を失った子は16人もいる。夜間に見回ると毛布をかぶり座ったまま泣き続ける子がいる。「毛布被り孤島となり泣きにけり」と、先生にはその姿が孤独の島のように映る
▼外出して衝撃の光景も目撃。「脈うたぬ乳房を赤子含みをり」と、命絶えた母の乳房を口に含む子の無心も見る。がれきから出ようともがいて絶命した遺体にも出会う。当時の惨状の記録でもある
▼「三・一一民は国家に見捨てらる」は2年余を経た今もなお国を戒め続けている。

 2013年 7月 23日 ―政治の安定を求めた参院選結果―
 21日に投開票が行われた参院選は自民党の圧勝で終わった。
▼連立を組む公明党を加えた与党は過半数を大きく上回って衆参の「ねじれ」を解消し、6年ぶりに衆参両院の多数派を構成することになった。一方、民主党などの野党は、共産党を除いては打つ手ないほどに議席を減らし、国会戦略の練り直しを迫られることになった。
▼自民党の大勝は、有権者が安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」をはじめ、昨年12月に政権復帰してからの実績を評価したことになるのだろうか。自民党は全幅の信任を得たとは思えないが、まずは有権者が政治の安定を求めた結果ではなかろうか。
▼政権与党は、東日本大震災の復興はもとより、景気回復、TPP交渉、原発などの諸課題に真っ向から取り組んでもらわなければならない。
▼岩手選挙区では、過去最高の6人が立候補しての激戦となったが、県民は党派を超えて良識的な選挙を行ったものと思う。その結果、民主党を離れて無所属から立候補した平野達男氏が自民党を挙げて盛り立てた田中真一氏に大差をつけて3選を果たした。復興相としての1年9カ月の実績と知名度を生かしての当選であった。大震災の復興、農林水産など基幹産業の強化や景気回復など本県が抱えている諸課題に真っ向から取り組んでほしい。

 2013年 7月 22日 ―与党大勝しねじれ解消、岩手は平野氏再選―
 第23回参院選は昨日投開票され、史上最多の6人が出馬し全国屈指の注目1人区とされた岩手選挙区は、現職の平野達男氏が制覇。3期目を手中にした
▼全国で自民の圧勝が予測され、岩手自民が21年ぶりに復活するかどうかが焦点だったが、新人の田中真一氏が及ばず自民空白は延伸する。平野氏は今年3月に民主党離党を表明。どの党派にも属さず再選に挑むと決めたとき、復興大臣も務めた2期12年の実績を掲げ裸一貫の人間力で戦うと覚悟したのであろう
▼県民有権者の多くは再びこの人に期待を寄せ、特に当面最大の課題である被災地復興の促進役を託したのだろう。一方、今回の選挙では小沢王国とまでいわれた本県の政治構図が、大きく揺らいだことも特筆される。県人でもある小沢一郎氏らの主導で09年に政権を奪った民主党。だが同党は四分五裂に向かう
▼その一角を背負い今は生活の党代表を務める小沢氏は県内でも威光は薄れ、今回は新人を国政に押し上げる選挙上手も昔話となるほどの敗退を見せた。王国保持に脱皮できるか。推移が気になる
▼全国情勢は下馬評通り自公政権が大勝。議席は過半数を超え安倍総理宿願のねじれ解消も実現。この勢いで総理は憲法改正、貿易開国など山積難題にどうかじを取るか。国民は目を光らせていくことになろう。

 2013年 7月 21日 ―TPP交渉会合―
 環太平洋経済連携協定(TPP)の18回目の交渉会合が15日から25日までの11日間、マレーシア東部ボルネオ島のコタ・キナバルで開催されている。
▼先行する米国や豪州など11カ国は10月にインドネシアで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた会合で基本合意し、年内妥結を描いているという。
▼日本は手続きの関係で23日午後から参加し、著作権や特許のルール作りをする「知的財産」などの交渉に加わる。交渉期間は2日半だけで情報収集が大きな目的になりそうだが、政府は100人近い代表団を派遣し、交渉内容の記録や条文案をまとめたテキストの解読に全力を挙げるという。日本以外の11カ国は協議を始め、交渉は21分野について24の作業部会で進められている。
▼TPP協定への賛否については、今回の参院選における重要な政策課題になっているはず。選挙結果を待たずに23日午後からの出席を決めている。
▼24、25日に開かれる12カ国の首席交渉官会合では、日本が独自に集めた交渉情報をもとに参加国に質問できる特別な機会となる。農産品や鉱工業の関税をなくす交渉や企業が自由に海外進出できる仕組み作りがどこまで進んだかなどを確認するものとみられる。日本側が主張する機会は少ないのではないか。

 2013年 7月 20日 ―良識の府へより良い選択を―
 参院選の各社世論調査はいずれも自民が優勢とし、大勝、圧勝などと伝えている
▼与党側は開けて見なきゃ分からないと引き締め、野党陣営は巻き返しに躍起となって戦いあすの投開票を迎える。一方、選ぶ側の有権者も絞り込みに忙しい。すでに期日前の投票をした人もいるが多くはあす、投票所へ足を運ぶ。ぎりぎりまで気をもみ熟慮する人も多かろう
▼最終盤の取材でも自民独り勝ちの下馬評に、参院でも政権与党が多数となり《ねじれ》が解消した場合、選挙中は柔和な衣で包んでいた《憲法改正で強い国を目指す》との安倍路線のよろいが、衣を脱ぎあらわになるのではないかと懸念する人が意外に多い
▼今回の選挙が《ねじれ》の功罪を問い続けていることを思い知らされる。国会運営で政権を謙虚にさせる利点と政権が提示する重要政策などが拒まれる弊害と、そこをどう判断するかで皆さんが頭を痛めておられる。安倍総理の政治姿勢への各自の信頼感の度合いで決めることになるのだろう
▼参院は「良識の府」「再考の府」と位置付けられている。衆院で決めたことも参院では党派駆け引きの次元でなく冷静に是非を再考する。そんな良識ある議員諸氏が居並ぶことを想定した役柄だ。参院不要論もある現状は理想に程遠いが、熟慮してより良い選択をしたい。

 2013年 7月 19日 ―山本八重と鉄砲―
 NHKの大河ドラマ「八重の桜」が戊辰戦争に入っている。
▼会津戦争で山本八重が使った鉄砲はどんな形だったのか。鉛の弾丸を作っている場面があるのだが、どんな種類のものだったのかなどに関心が高まっている。
▼火縄銃やゲベール銃、ヤーゲル銃、エンフィールド銃、スペンサー銃、スナイルドル銃など、さまざまな銃が用いられたのだろうと思う。火縄銃は原初的銃だが、戦国期の日本の火縄銃は世界最高の性能と数を誇ったといわれている。
▼山本八重が使用した銃は、短いスペンサー銃ではなかったろうか。この銃は1860年、アメリカで発明され、世界最初の後装式7連発銃で、アメリカ南北戦争で活躍した。射程はやや短いが、銃身を折って装弾し、使い勝手が良く、佐賀藩が主力銃として使用した。会津藩砲術家の娘山本八重が鶴ケ城に入場し、一隊を率いて新政府軍に発砲しているのもこの銃ではなかろうか。
▼火縄銃を改良したのがゲベール銃で、18│19世紀にオランダで歩兵銃の中心だった。幕末に大量に輸入され、国産化が図られた。のち雷管式に改造され、発射時の衝撃が大きく、命中精度は火縄銃よりも低かったと言われる。戊辰戦争ではこの旧式銃が会津藩兵の主力銃として使用された。今、会津新選組記念館では鉄砲展が開かれている。

 2013年 7月 18日 ―いじめの渦中で花開く少年俳人―
 今、感性豊かな少年俳人西村凜太郎君が注目されている
▼9歳で詠んだ「紅葉で神が染めたる天地かな」(朝日俳壇初入選)など用語も練達している。現在、小学6年生。大阪で母と祖母と3人で暮らす12歳だ。小林一茶が大好きで俳号を小林凛とし、今春には句と家族の手記を収めた「ランドセル俳人の五・七・五」(ブックマン社)を出している
▼彼は944cの未熟児で生まれ小学入学時も体は小さく、ランドセルを背負う姿をからかわれ殴る蹴るや「消えろ!」の暴言などいじめを受け、不登校も続く。本の表題にも「いじめられ行きたし行けぬ春の雨」の句を添えている
▼教師も対応せず5年生の1年間は身の危険を感じ自主休学。入学以来学校に行けぬ日々を支えたのが作句だ。幼稚園時代に字を習い本を読み五七五のリズムが好きになる。その感性がいじめの渦中で花開く
▼「子すずめや舌切られるな冬の空」「春の虫踏むなせっかく生きてきた」の句には、自分を重ねた優しさがにじむ。孫を案じ祖母が「凛、生まれてきて幸せ?」と問う。母も同様に聞いたことを思い彼は詠む。「生まれしを幸かと聞かれ春の宵」と
▼ずっと苦労をかけている母には「夏の月疲れし母を出迎えて」と、感謝を込めつづっている。「春嵐賢治のコートなびかせて」との句もある。

 2013年 7月 17日 ―公共工事と地元業者―
 東日本大震災から2年4カ月が経過した。復旧復興工事が本格化している中、県では県内業者と県産材を極力活用することでの指導を展開している。直轄工事を地元業者でやってほしいということである。
▼そのことは公共事業によって地元経済を浮揚させなければならないとした施策であるとともに、震災や豪雪などによる被災や大雨で河川が氾濫したときなどに、間髪を入れずに現地の災害現場に駆け付ける地元の業者を育成することにある。
▼現実には、そのような地元の業者が育っていないために空白地帯が生じている地域もある。本格的な復旧工事が生じても原則、単に競争原理による入札契約で地元の業者は同じ条件で競争しなければならない。
▼そこで先月20日、「国などが行う公共工事についての地元建設業の受注の確保などに関する法律案」が自民党から提案された。国などの公的機関が発注する予定価格1億円以上の工事は現場のある市町村に本店を有する地元建設業者の受注機会拡大に配慮し、地域建設業界の健全な発展と地域経済の活性化を推し進めようとするのが趣旨のようだ。
▼具体策は参院選後だろうが、こういった配慮は画期的なことであり、これに地元業者が甘んじることなく、趣旨が生かされるように努力していかなければならない。

 2013年 7月 16日 ―被弾少女が国連で名演説―
 日本では女子の通学は当たり前のことだが、世界には女子に勉強は不要とし通学を認めない地域がある
▼その差別思想にこだわる集団が武装し女子勉学を制圧する動きすらある。昨年10月にはパキスタンで女子教育の大切さを公然と主張していた15歳のマララ・ユスフザイさんが、下校の通学バスに乗っていたとき武装集団に銃撃されている
▼重傷を負い一時は重体に陥るが自国病院で危機を脱し、身の安全のため英国病院に移る。治療を重ね奇跡的に回復し退院。今春から英国の高校に通学していたが、16歳の誕生日の今月12日には国連本部で演説をしている
▼国連が不屈の精神をたたえこの日を「マララ・デー」と定め招いたのだ。世界の若者らが集う記念集会も設けられ演説はその席上で行われた。死線を越え年齢の何倍分もの苦労をしたせいか弁舌は力強く説得力があり世界に共感を広げている
▼「すべての子の教育を受ける権利について声を上げるためここへ来ました」「テロリストは私をくじき変えようとしましたが私は何も変わっていません。変わったのは弱さや恐れ、絶望が消え強さと力と勇気が生まれたことです」「一人の子どもが一人の教師が一冊の本、一本のペンが世界を変えます」
▼一部要旨を紹介したが被弾少女16歳の名演説として後世に残るだろう。

 2013年 7月 15日 ―秋田県小坂町の現在―

 秋田県の小坂町にある芝居小屋「康楽館」には何度か行って建物は見ているが、本格的な歌舞伎や大芝居が公演されていたところには入ってみたことがなかった。友人の薦めもあって、昼夜の2回公演の第26回康楽館歌舞伎大芝居に出かけてみた。中日の5日であったが、連日400人規模の超満員であった。
▼今年は松竹中村吉右衛門一座で、そうそうたる役者が出演している。中村歌昇改め三代目中村又五郎襲名披露、中村種太郎改め四代目中村歌昇襲名披露ほかのだし物で、第1幕が番町皿屋敷、第2幕が襲名披露口上、第3幕が連獅子の約2時間の公演であった。
▼入場料は松席1万1千円となっていて、結構な値段だなと思ったが、松の席に座ってみると、役者・スタッフ総勢30人は超えるだろう大がかりな布陣でなるほどと思った。歌舞伎というものについての知識が疎いので、同時解説の「イヤホンガイド」を借りて耳に当て、歌舞伎の見方の解説を聞きながら公演を見学した。
▼明治38年代が最盛期の小坂鉱山であったが、現在は「明治の香り漂う・小坂町」として、康楽館、そして観光・物産に「ワイン、豚肉、菜の花油、銅製品、ヒメマス、アカシアの蜂蜜、トロッコ鉄道」などが生かされている。松尾鉱山鉄道には何も残っていないのが残念であった。

 2013年 7月 14日 ―糖質ゼロ食の糖尿療法―
 最近喉が渇くと言っていた友から、糖尿病と診断されたと電話があった。統計数値がなくても患者が増えているのを肌で感じる
▼糖尿の歴史は古く日本では平安中期に権勢を極めた藤原道長の合併症例が知られている。目撃した藤原実資が日記「小右記」に「喉が渇いて水を多量に飲む」「目が見えなくなった」などと、道長の症状を書き残している
▼道長自身も「御堂関白記」に「二、三尺相去る人の顔も見えず」と、近くの人さえ識別できないことを書いている。ぜいたくな飲食が招いた糖尿が悪化していたのだろう。食材も豊富な現代人の食事は平安貴族以上にぜいたくだとよくやゆされる。その食生活の習慣が糖尿患者を増大させているのだろう
▼以前にも触れたが主食から糖質の多いご飯、パン、麺類を除く糖質ゼロ食で、糖尿を改善する療法が注目されている。個人差はあるが半年前後の励行で血糖が改善。長期に及ぶインスリン自己注射から解放される事例も続出している
▼主食用無糖パンも開発され、おいしく食事ができるメニューもある。糖尿病学会は薬剤利用者減で影響を受ける業界への配慮なのか、科学的裏付けが乏しく勧められないと見解を発表した
▼だが専門医の指導で現実に改善例が出ているのだから、精査し有効性を認めむしろ推奨してはどうか。

 2013年 7月 13日 ―参院選は後半に―
 参院選がいよいよ後半に入ってきたが、21日の投開票が終わった後の政局はどのようになっていくのだろうか。
▼今ごろになって考えるのはどうかと思うのだが、今回の参院選はいったい何のために行っているのか。6年の任期が切れるから参院の半分を入れ替えすることだけの意味ではないだろう。与党の自民・公明が大勝利を挙げて衆参の「ねじれ現象」が解消するとの予想も見られるが、それで政治は機能を発揮することになるのか。
▼参院選に先んじて行われた東京都議会選で参院選の行方を読み取ることができた。東京は日本の縮図になっているのか。大阪や名古屋などの主要都市ではどうか。
▼9日に松山市で開かれた全国知事会では前から議論されてきた「道州制」の賛否を見送ることになった。地方の県議会などの政党色はどのようになっているのか。例えばTPP協定の賛否、また、原発再開も、各都道府県議会の考えはバラバラになっている。国会議員と地方議員の考えは同じ政党の中でも必ずしも合致していないようだ。
▼保守系政党の再編成がなされるのか。民主党や生活の党などの中から政界再編のけん引者が出るのか。それとも、徐々に小さくなって、多党派が形成されていくのか。日本の政治は自民・公明主導に戻っていくのだろうか。

 2013年 7月 12日 ―長崎被爆の語り部逝く―
 参院選でも戦後生まれで戦争を知らない候補者が、国防軍を置いて日本を強い国にすべきなどと叫んでいる
▼勇ましいが戦前回帰もにおうから気になる。戦争ほど恐ろしく悲惨なものはないのにその感覚の風化も進む。来月で敗戦から68年。地獄の苦しみを背負いながら広島、長崎の被爆体験を訴えてきた人たちも高齢で、一人また一人と世を去っていく
▼先週は長崎被爆の語り部として国際的にも活躍した山口仙二さんが82年の生涯を閉じた。14歳の時に学徒動員で爆心地から1`ほどの所に防空ごうを掘っていて被爆。やけどで両手も胸も腹も黒焦げ。奇跡的に助かったが皮膚が変色し、でこぼこになるケロイドが広がり植皮手術は13回に及ぶ
▼自伝の題名も長崎原爆が奪った人々の総皮膚面積を用い「115500uの皮膚」(みずち書房)とした。国への被爆者援護陳情にも尽力し欧米に飛び核抑止論も指弾。82年には国連軍縮総会の演壇で叫ぶ
▼「私の顔や手をよく見てください。このような核兵器による死や苦しみを、世界の人々、生まれてくる子どもたちに一人たりとも与えてはならない〜私は訴える。ノーモア(繰り返すな)・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウオー(戦争)」(要旨)と
▼戦後世代には故人の反戦反核思想を継承普及する責務がある。

 2013年 7月 11日 ―甲子園への戦い始まる―
 第95回全国高校野球選手権記念岩手大会が10日から始まった。予定通りに試合が進めば決勝戦は21日となっている。昨年の決勝戦は、盛岡大附が5対3で花巻東を破り、甲子園出場を果たした。
▼岩手大会の過去10年を振り返ってみると盛岡大附が4回、花巻東が4回、専大北上が1回、一関学院が1回で、全て私立となっている。公立、私立の分け隔てはないのだが、久しく公立の代表校がないのを寂しく感じている県民も多いのではないか。伝統校、自分の出身地、古里の高校、さらには母校を応援している人も多かろうと思う。
▼近年の勝ち上がりを見ると、公立もよく健闘している。過去10年間、決勝戦に進出したのは盛岡大附の5回、花巻東の5回を筆頭に一関学院2回、専大北上2回、盛岡中央2回、福岡1回、盛岡一1回、盛岡三1回、釜石南1回。私立が16、公立が4となって、私立が断然強いのだが、公立も決勝戦までは進出している。
▼憧れの甲子園へあと一歩のところで敗れているが、決勝まで勝ち抜くためには選手層の厚さ、抜群の投手力、監督の指導力などによるものだろうか。日本ハムの大谷、西武の菊池らプロで入団1、2年から活躍し、本県のレベルは高くなった。
▼炎天下ではあるが、まずは悔いのないよう全力でプレーしてほしい。

 2013年 7月 10日 ―懸命にわが子守る母たち―
 脳性まひで会話もできない15歳の少年が、意思表現訓練で思いを言葉にし母へ詩を贈っている
▼「ごめんなさいね おかあさん」を繰り返し、「ぼくを背負うかあさんの細いうなじにぼくはいう ぼくさえ生まれなかったら〜」と(月刊「致知」02年9月号)。涙して読んだ母親も心情を詩にうたい返す
▼「わたしのむすこよゆるしてね〜脳性マヒと知ったとき ああごめんなさいと泣きました〜肩にくいこむ重さより 『歩きたかろうね』と母心〜あなたのすがたを見守って お母さんは生きていく」(同)。少年はまた「ありがとう おかあさん」と感謝と決意をつづり母と子の詩は往復する
▼散発的にわが子を虐待する母の暗い報道もあるが、世の大半のお母さんたちは苦悩多い現実の日々を、懸命に賢明に生き抜いている。とりわけ病む子に対しわが身も顧みずに見守り、尽くしていく姿は神々しくさえある
▼岡山大学病院肺移植チームが今月初めに、生体間肺移植手術を成功させた。重度の呼吸不全に陥った3歳男児を救うため、小児の肺の大きさに合う自身の右肺中葉部分の摘出を申し出たのは母親だった。手術はおよそ8時間に及んだが男児は回復に向かっているという
▼この種の手術の成功は世界初だという。命を張って愛児を守る母の覚悟の深さに改めて感服する。

 2013年 7月 9日 ―参院選の先にあるもの―
 参院選が4日公示された。岩手選挙区では改選数1に6人が立候補し激しい選挙戦が繰り広げられている。有権者としても極めて重い選択が課せられている選挙になった。国政選挙であるからいつも重要だが、今回はことのほかに重いと受け止めている。
▼先の東日本大震災の復興を急がなければならないことはもとより、憲法改正の発議が現実味を帯びてきていること、TPP協定の判断など、重要な懸案を抱えている。
▼自民党は昨年の衆院選で圧勝して政権を奪い返し、東京都議選でも候補者全員が当選するなどして、公明党との連立与党で強い基盤を築いた。参院選の結果では衆参「ねじれ」が解消されるような勢いであり、改憲の発議に賛成な党で、衆参両院で3分の2の勢力の確保も視野に入っているのではないか。
▼自公の党勢拡大が図られるのかは今のところ未知数だが、わが国が抱えている諸課題は難しさを増している。中国、韓国との関係はもとより、米国との関係においても従来とは情勢が変わっている。景気の回復や雇用の促進、年金・医療、高齢化、過疎地対策、財政再建といった根本的な問題が先送りされてきたからだ。原発の在り方を含め諸課題に真っ正面から取り組んでいかなければならない。それだけの人物を選出しなければならない。

 2013年 7月 8日 ―冬へ逆行するエジプト―
 「アラブの春」という表現には、冬に決別して迎えた春の喜びがにじむ
▼アラブ圏諸国では2010年末から民主化を求める反政府活動が連鎖的に発生する。富む国チュニジアでその年末、26歳の青年が焼身自殺を図ったのが発端だ。23年続く独裁政権は利権を一族で独占。その腐敗のあおりで庶民は貧しく高い失業率で失職者が多かった
▼その青年も無職で街で青果を売ろうとしたが警官が無許可を理由に商品を没収。暴行も受けた彼は全身に油をかぶり火を付けて抗議。翌月亡くなる。伝え聞いた群衆が大規模な抗議活動を展開。独裁大統領は他国へ亡命し政権は崩壊する
▼国の花の名から「ジャスミン革命」と呼ばれるこの反独裁運動は、アラブの盟主を自認するエジプトに波及し独裁29年のムバラク大統領が退陣する。飛び火したリビアでは反政府運動が内戦化、41年間も君臨したカダフィ大佐は射殺され独裁は幕を閉じる
▼昨年、民主的選挙で大統領を選んだエジプトが今、その大統領を軍部が解任し憲法も停止。賛否両派の争いで死者も出る事態に陥っている。大統領の強権姿勢に不信が高まっていたとはいえ、軍主導の政変は無謀だ
▼軍は大統領選を実施するというが正当性を説明できるのか。「アラブの春」の生命線は民主化だ。独断専横は冬への逆行に見える。

 2013年 7月 7日 ―ナツツバキが満開―
 ナツツバキの花が満開になった。白くさっぱりとした花で何とも言えないが一晩で散ってしまう。幹の周りには落ちた花びらが散らばって、それが日ごとに増えていく。盛岡体育館の北側では2、3本のナツツバキが大木になっている。西側の枝から咲き始めて次に東側の枝が咲き始めるように感じられた。西日を好んでいるのだろうか。
▼夏至は昼がもっとも長い日で、春から野や山の木々、植物は緑一色に羽根を伸ばして育み、花を咲かせ、そして、今は実を結び始める。それを境に昼の時間が短くなっていく。春の桜や梅の開花に始まって、ツツジやフジなどの花々も一斉に開花して散り、夏を迎えた。間もなく梅もぎの時期を迎える。
▼2日は半夏生(はんげしょう)だった。半夏生は半夏(からすびしゃく)という薬草が生ずる時期から来ているとか。春に咲き始めた花々が夏の花に入れ替わるまでの間は一服というところか。そんな時期に勢い開花するのが、ナツツバキであろうか。一気に咲いて一晩で散ってしまう。そして、次々と新しい花芽が開花をリレーする。
▼版画家の八重樫光行さんの作品、毎週水曜に連載の「草木の実の版画集」が読者から好評で、お手紙やはがきを頂戴している。21日からは盛岡市中ノ橋通のななっく4階で個展が開かれる。

 2013年 7月 6日 ―被災児の七夕の願い切実―
 「七夕やすいと来そうな銀河行き」。ひろみという人のブログに載っていたこの句
▼七夕の日。待ち合わせ駅に早く着きふと「銀河鉄道の夜」のイメージが膨らむ。電車が行き交う中からすいと銀河行きが来そう、と。添え書きによるとそんな情景が浮かぶが、七夕に天空へ夢を広げるのも楽しかろう
▼本来は陰暦7月7日のこの行事。それに近い新暦8月に催す地域もあるが昨今は新暦七夕も定着。ここ数日、外を歩くと童謡「たなばたさま」もよく耳にし、そこここで願い事を書いた短冊を飾る竹を見掛ける
▼顧みると大震災後は目が天空より地上を直視し、願いは切実さを帯びそれが年々の七夕短冊にも反映。特に子どもの素直な表現が胸を打つ。発震年には催事ができない岩手と宮城の被災児らの短冊が、名が知られる湘南平塚七夕祭りで飾られた
▼「地しんとつなみがもうきませんように」と書いた男児の短冊など見詰める人の目に涙が光る光景が随所で見られた。昨年は大船渡の七夕祭りで自宅が全壊した少年が短冊に「建築家になりたい」と書く。大きくなったら被災した人たちの家を建てると決意も語った
▼あすは3度目の七夕。おおふなと夢商店街の竹には既に、「まちがきれいになりますように」と書いた女児の願いなど保育園児37人の短冊も飾られている。

 2013年 7月 5日 ―参院選が本番に突入―
 参院選が4日公示され、21日の投票日まで選挙戦が本番を迎えた。岩手選挙区(改選1)は、6人が立候補する激戦地となった。
▼参院の定数は選挙区が146、比例代表が96で任期は6年であるが、3年ごとに半数を改選することになっているので、選挙区73、比例代表48の合わせて121議席をめぐって選挙が行われる。
▼47都道府県で121のポストを、単純に割り算すると本県からは2・57の議員が出ることになるが、選挙区の定数は1人であるから、比例代表には1か2の可能性があると、あくまで計算上ではなる。それを上回ればよく奮戦したことになろう。
▼岩手選挙区は自民、民主、生活、共産、幸福の各党からいずれも新人が出馬し、現職の無所属候補に対していかなる戦術で臨むのだろうか。無所属候補は本県出身であり、政権が交代するまで民主党に属して復興大臣の任務に就いていた。
▼生活の党候補者は県議を辞職しての立候補、現職候補と同一市内出身ということで、落下傘≠ニいわれている自民、民主の候補と入り乱れ、組織票と地元票を競っての激しいぶつかり合いがなされるのではないか。
▼共産、幸福の候補者は地元出身ということで堅実な票固めがなされるのではないか。公明党や地域政党も大きな影響を及ぼすのではないか。

 2013年 7月 4日 ―ねじれの是非問う参院選―
 安倍総理の自信ありげな発言や勇ましい行動を見ていると、政権基盤がよほど安定しているように錯覚しかねない
▼現実は与党が多数を占めるのは衆院だけで参院ではそれが逆転。与党は少数派だ。安倍さんは衆参ねじれの不安定な足場の上に立っているのだ。国民不在のバタバタ劇を演じ幕を閉じた先の国会で、ねじれの怖さを象徴したのは野党優位の参院で安倍総理に対する問責決議案が可決したことだろう
▼決議は責任を問うが辞任は不要。それでも安倍さんは胸中に宿願の「ねじれ打破」への炎をたぎらせたことだろう。きょう公示される参院選は景気浮揚や復興促進、原発再稼働、消費増税、貿易開国問題などが争点となろうが、審判の根っこには「ねじれ」が横たわっている
▼有権者はまず安倍政権に参院でも多数を与えるべきか否かを熟慮する必要がある。与党が勝利し参院でも多数派となればねじれは解消。安倍政権は安定感を増しあと3年余は続く可能性がある。先の諸政策も与党の判断で主導される。自衛隊を国防軍とする条項も盛り込む自民党の憲法改正案も前に進むだろう
▼この路線を援護すべきか拒否すべきか。国民のためにはどちらがいいのかと、見極める有権者の作業が本日から始まる。その意味では今回の参院選は政権選択の意義もはらんでいる。

 2013年 7月 3日 ―両陛下のご来県―
 天皇皇后両陛下が7月4日から5日まで岩手県をご訪問されることになった。東日本大震災津波の2カ月後、2011年5月に宮古市・釜石市などの被災地訪問に次いで2回目のご来県となる。今回も被災地訪問が主な目的となっている。皇室の岩手県入りは、昨年12月の秋篠宮ご夫妻以来となる。
▼震災津波の罹災から既に2年3カ月を経ているが、両陛下のご訪問は罹災者にとって何よりの励みになるのではないか。道路や港湾などの復興はある程度進んでいるものの、住まいや暮らしの復興はこれから本番に入ろうとしている。4日は新幹線お召し列車で新花巻駅にご到着になられる。遠野市文化交流施設みやもりホールで復興状況などをお聞きになられ、遠野市総合防災センター、遠野市応急仮設住宅「希望の丘」などを回られる。遠野市の宿泊地では「遠野昔話」にも耳を傾けられるという。
▼5日は住田町保健福祉センターを経由されて、大船渡市に入られ、赤崎町の太平洋セメント大船渡工場でがれき再利用等の状況をご視察される。その後、陸前高田市に回られ、陸前高田一中グランドに建設された仮設住宅を訪問される。
▼4日は参院選公示日であり、両陛下のご来県と重なった。県民にとっても国の在り方と歴史について、深く考える日となるだろう。

 2013年 7月 2日 ―よみがえる「いろは歌」―
 47字の仮名を1字も重複させず、仏教思想を詠んだ詩が「いろは歌」。「色は匂へど散りぬるをわが世誰ぞ常ならむ 有為(うゐ)の奥山きょう越えて浅き夢みじ酔いもせず」を全文古文調の仮名表記にした歌である
▼色美しく匂う花も散ってしまうようにこの世の誰もが常住ではない。因と縁で生まれるすべての存在(有為)は無常ではかなく滅する。きょうは執着と迷いの奥山を越えもう浅はかな夢は見ず酔いもせず真理に目覚めていく…。そんな趣意になる
▼作者不詳で文献では1079年成立の経典解説書に初めて登場。これを基に考察しこの歌は10世紀末から11世紀中ごろの作と推定されている。遺跡から歌の発見が相次ぐ。昨年1月には三重県で既に発掘されていた土器に「ぬるをわか」「つねなら」の文字があるのを確認したと公表。それまでは本県平泉町志羅山遺跡発掘の木簡に書かれた「らむうゐの」「おく」の文字が、12世紀後半のものとされ最古だったが三重の文字はそれより半世紀以上前と判明。最古を更新する
▼この2件は詩の一部だが先月27日には、京都で30年前に出土した土器からほぼ全文の43文字を判読したと発表。残る4文字も欠損部に書かれたことも推認。12世紀末〜13世紀初頭のものという。命は無常だが文字は常住のようによみがえる。

 2013年 7月 1日 ―きょうから7月、暑さ本番―
 7月に入った。文月(ふみづき)とも呼ばれている。7日が小暑(しょうしょ)、23日が大暑(たいしょ)で、このころには暑さは絶頂に達するのだろう。22日は土用の丑(うし)の日となる。
▼7月に入ったが東北地方は梅雨の季節で、例年なら1年中で一番雨の日が多い月である。統計的には約半分が雨降りに当たると言われているが、今年はどうだろうか。1日に岩手山の山開きが行われ、鮎釣り解禁の河川がある。夏の高校野球県大会は10日から始まる。各地で夏祭りが行われる季節でもある。
▼この時期、蒸し暑い日があったと思えば、雨で湿気が絶えず肌寒い日に変わったりする。体調に気を付け、食中毒にも気を付けなければならない。
▼雨の日の旅行が苦手だという人が多い。逆に雨の日に旅に出るという人もいる。普段混み合うところでも空いているから、見所をよく堪能するには曇天の日がよいとしている。たしかに、雨の日はアジサイ、アヤメやコケなど植物類はことのほかよく見える。それぞれに持ち味があるものだ。
▼今年は夏の陣がある。参院選は4日公示、21日の投開票日。岩手選挙区は1人の定員に6人が立候補して熱戦となる見通し。東日本大震災津波の復興事業など、重要課題を抱えているだけにしっかりとした議員を選ばなければならない。

2013年6月の天窓へ