2018年7月の天窓


 2018年  7月  15日  ― 定数増と特定枠の自民案 ―
 アメリカ大統領選の本選挙は有権者を代表する形の選挙人の投票で行われる。州の人口によって選挙人数が割り振られる。以前から指摘されているのが「勝者総取り方式」という選挙人の配分。ある州で最多得票となった候補は、他候補との得票差に関わりなく州内の全選挙人を獲得できる方式で、全体では得票数と選挙人の獲得数が逆転するケースが発生する。1票という数字は絶対ではなく、ルールで変わる一例だろう
▼日本では議員の国政選挙で一票の格差がいわれ、判決判断が是正を促している。昨年の衆院選で岩手の選挙区は4から3に減り、2区が広大な面積になったことは記憶に新しい。有権者の少ない地域は議員数の減も一票の格差が優先され、比例のある現制度を是認せざるを得ない
▼参院も同様に一票の格差の抜本改革が指摘された。そこに出てきたのが自民党の公選法改正案。参院本会議で可決され、17日にも衆院で可決の見通しとなった。ところが抜本改革とは程遠く、定数6増に一瞬耳を疑った。1票が軽い埼玉の定数2増までには理解が及ぶが、比例4増とはなぜか。しかも特定候補に手心可能な特定枠を設け制度を複雑化させる。自民が現職の救済と批判も上がる。数式の美しさに数学の魅力を語る数学者には、美しくない数式と言われそうだ。

 2018年  7月  14日  ― 豪雨禍に陰の救済 ―
 かつて独身時代には東京以西には、親族がいなかった
▼それが世帯を持つと家人の母が岡山県人で、その係累も同県に住んでいる。当家長男の嫁は四国の愛媛県出身で、同じく係累の多くが四国に居住している。今回の西日本豪雨はそんなことをいまさらのように思い出させてくれた
▼岡山県倉敷からも愛媛県からも豪雨禍で犠牲者が相次ぐ中、懸命に展開した救出活動の模様が伝えられている。倉敷市真備では高梁川の支流小田川の堤防が決壊。孤立した2千人超の住民救済のため、複数のボートが出動。文字通り人々を助け続けた
▼親族宅に避難していた78歳の男性は、同行者に病人がいるためこれ以上の避難をやめることにし、7日午後にボートを待つ。やがて乗務員3人のボートが近づく。男性は助けを請い手を振る。だが見渡せば近隣にも救助を待つ高齢者がいる
▼男性は「あちらを先に」と頼む。乗務員が「見捨てないから心配なく」と笑う。高齢者救済を終えてボートが来て男性一行が救出される。男性はボートによる救済に対し「感謝しきれない」と心境を語っている
▼土砂崩れで断水した愛媛の宇和島では水のない暮らしに困り果てていた。だがオカザキとだけ名乗る漁師が8日夕に、大型漁船に真水の水槽を載せ宇和島浦へ届けると、船は立ち去ったという。 

 2018年  7月  13日  ― 西日本豪雨と東北 ―
 出身は広島県とされる松本清張の「砂の器」に、東北弁の耳ざわりの「カメダ」なる地名を追うくだりがある。岩手県か秋田県かと探るうち盲点が浮かぶ。方言が東北そっくりの地域が中国地方にあったのだ。
▼綿密な取材を身上とした作家によるこの説話を思えば、中国地方と岩手の風土は決して遠くない。四国九州もしかり。東日本大震災では、西日本豪雨の被災地からも大勢の派遣職員が県民を救い、義援に助けられた。地異から天変。今回の各県の被害に驚き、判明する遺体の数に言葉を失う。山河が牙をむき、津波に匹敵する巨大な水圧が人里を襲ったのだろう。いまだ不明の人々の安否が気遣われる。
▼2013年は盛岡地方に集中豪雨と台風が被害をもたらした。時は流れ、天災は常に風化が叫ばれる。おととしの台風10号では岩泉町でお年寄りが亡くなった。風水害に備え、改めて本県の防災をしっかり。
▼西日本豪雨と時同じく、国民的名優の加藤剛さんの訃報にも接した。映画「砂の器」が代表作だった。あらゆる命の尊厳を刻むべき夏来たる。しかしそれが、被災地に過酷な季節となってはなるまい。
▼東日本大震災で全国に支援を受けた本県として、西日本の被災地の復興に力を出そう。土砂に覆われた街が、一日も早く平穏な日を取り戻すように。

 2018年  7月  12日  ― 無情すぎる豪雨災害 ―
 東日本大震災の時もそうだったが、今回の西日本豪雨犠牲者続出の際も、思わず天を仰ぎつぶやいた。やはり天神も地神もいないのか、と
▼7年前の大津波で親友を亡くした時も深い喪失感に襲われた。祖父母らの慣習を継承した程度の地神や天神への敬意すらも、絶望のあまり意識的に消去してしまった。大津波襲来から3カ月後に三陸海岸の現場に行ったことも忘れられない
▼案内してくれた人から当方の親友W氏の遺体は「この辺で見付かったんです」と、指さされた時も地神不在論を繰り返したことを覚えている
▼今回の豪雨で6日夜に土砂崩れが起き、甚大な被害があった広島県熊野町在住の71歳の男性は、自分は無事だったが嫁いだ娘の家は激しい土砂崩れ地域にあるので連日、捜索を見守った。娘夫婦には中2と小6の孫息子がいて、2階建ての自宅に一家4人で暮らしていた
▼最初に発見されたのは土砂の激しい崩れで、足首切断の大けがをした婿で、7日午前2時に病院に搬送されている。義父になる男性の元へもその一報が入り、重傷でも生存できたと胸をなでおろしたが、娘ら3人は安否不明だと身を引き締める
▼だが3人は心肺停止で発見され死去と悲報が届く。無情すぎる現実に改めて全ての犠牲者の冥福を祈り、老父の健康長寿を願うばかりである。

 2018年  7月  11日  ― 繰り返される水の惨事 ―
 西日本で起きた梅雨前線活発化による豪雨は130人を超す犠牲者を出し、行方不明の方がまだ多数いる。毎年のように日本のどこかで繰り返される大雨、豪雨被害。そのたびに対策の見直しが図られているはずだが、自然の力に人知は及ばないのだろうかと思わされる
▼今回は瀬戸内海を挟んだ中国・四国と近畿など西日本に大きな被害をもたらした。前線の移動で長時間見舞われた大雨は収まった。だが、日に照らされたわが街を目にし落胆に襲われる心情ではなかろうか。雨の収まった後の現地の映像や写真を見ると、東日本大震災による大津波の被災地がよみがえる。土砂から見える倒壊した家屋などがれき、あり得ない場所にも濁った水が広く残っている
▼山田太一さん原作、脚本のドラマ「岸辺のアルバム」は41年前になるが、現実の災害で水に流されている家屋の映像が記憶に残る。壊されるのは一瞬で、固いと信じていたもののもろさを教えられた
▼被災地では警察や消防、自衛隊、自治体を中心にボランティアも加勢し、行方不明者の捜索やがれきや土砂の撤去が続けられる。並行してライフラインの復旧も急ぐ。自分がその場に立たされたなら、どこから何をすればいいのかと戸惑うに違いない。だが、救助の人たちは一刻も早くと懸命の捜索を続けている。

 2018年  7月  10日  ― 文科局長が収賄容疑 ―
 その息子が目指していた医科大学は私立だが、レベルが高く彼も苦労して勉強した
▼父親もはらはらしながらも励ましつつそれを見守った。父は秀才だったらしく早稲田大学大学院に進み、修士課程在学中に国家公務員1種試験に合格。科学技術庁に入庁。文科省では局長を務めてきた。一部では省トップの事務次官有力候補とまでいわれたこの人が、受託収賄容疑で今月4日に逮捕された
▼事件は冒頭の息子が今春受験し、合格したとして入学した東京医科大学を舞台に起きている。文科省は私立大学に補助金を出す支援事業も担当している。昨年5月には東京医科大の関係者が同大学が補助金支援の対象校になるよう、息子の父である局長に懇願したという
▼その願いはかなえられ同大学は支援対象校となり、約3500万円の支援金が届いたという。そこまでの経過のどこかで、息子の合否を案じた父が「息子をよろしく」と言ったかどうかはわからない。だが以心伝心なのか息子は合格した
▼捜査当局も抜かりなく取り調べをしているらしい。息子の受験の際、大学側の理事長と学長が入試の点数加算に関与していたことも判明。理事長は関与を認める発言をしたという。この国の教育の元締めが演じた裏口入学とは情けない
▼つらい荷を背負う息子さんが気の毒である。

 2018年  7月  8日  ― オウムの長き影を消そう ―
 オウム真理教の麻原死刑囚らに刑が執行された。世界を震撼させた地下鉄サリン事件から23年にもなる。
▼平成の初め盛岡市内の大きな橋に、オウムのビラが張られていた。べったり接着剤でこすりつけ、はがれなくて汚らしい。一連の事件で日本中大騒ぎだった頃、盛岡講演の告知だったと聞いた。たまたま行った人が「麻原は見なかったが弟子が説教して、精神世界に行けばどうのこうのいかがわしく、変な臭いの水を飲まされた」と顔をしかめていた。
▼「そんなこと盛岡あたりにあんの」という言い回しがある。自分は盛岡から出て暮らしたことないのでピンとこないが一度、東京の住人になり帰郷すると、県都とて何もない田舎町にしか見えないからだろう。
▼それはそれで構わないし、地方も悪くはないが、犯罪や事件に都会と田舎はあまり関係ない。生き馬の目を抜く大都会の事件は凶悪で、地方都市は軽微な犯罪ばかり、町村は毎日が平穏なんてことはありえない。
▼ドーナツ現象の東京や大阪の都心部は人口比で犯罪は少なく、社会の矛盾がしわ寄せされる過疎地こそ、現代的な事件が起こりうるとの見方もある。オウムは地方でも悪事を働いた。今は海外にテロが頻発する。どこに暮らしても防犯意識はしっかり。人々に心の闇を生むことのないよう。

 2018年  7月  7日  ― 読み聞かせ運動の気脈 ―
 今、日本では子どもたちにパパやママやよその大人が、家庭や地域で本の読み聞かせ運動をしている
▼時代をさかのぼると明治大正期に児童文学者として活躍した巌谷小波は、その運動の先駆者だった。巌谷は昔話や名著を平易なおとぎ話に書き改め、それらの読み聞かせである口演を全国各地で実施している
▼一方、少年対象の物語を自ら編集する雑誌「少年世界」に掲載。加えて少女と幼年の育成も考えこれも自ら主筆となり「少女世界」「幼年画報」を発行している。幼児らの未来をも見詰めた巌谷の慈愛と行動には頭が下がる。そんな気脈を継ぐような米国発の動きもある
▼昨年11月に子ども向け絵本の日本版「えがない えほん」(B・J・ノヴァク原作、大友剛訳、早川書房刊)が発売され、日本の子らをとりこにしているのだ。題名通りこの絵本には絵がなく文字だけで原文は英文だ。訳者は幼い読者も念頭に創作に近い翻訳をしたという
▼親が真顔で読み聞かせると子らは吹き出すらしい。邦訳にはそんな仕掛けが組まれているのだ。例えば親が「ぶりぶりぶ〜」と訳文通り読むと、誰かが「おならだあ」と言い親子が皆で爆笑となる。「人類の歴史の中で一番素晴らしい子どもである」との訳文もあり、これには子らも「いえーい」とVサインで歓声を上げる。
  

 2018年  7月  6日  ― 3代目の優勝旗を岩手・東北に ―
 100回目の全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)を目指した岩手大会はきょう開幕する。前身の全国中等学校優勝野球大会から103年、戦局による中断を経て戦後復活し節目を迎える
▼優勝校に授与される深紅の大優勝旗。その年の夏の過酷な試合を1度も負けることなく勝ち上がった1校だけが手にすることができる。優勝旗は1年間、優勝校の手元にあり、翌年の大会で返還される。メダルや甲子園の土と違い、歴代優勝校が継承してきた優勝旗。今年の大会から新調された3代目に替わる
▼準々決勝に入るサッカーW杯の優勝国に授けられるのはトロフィー。W杯を企画した当時のFIFA会長が寄贈したことからジュール・リメ杯と呼ばれ、1970年に3回目の優勝をしたブラジルに永久譲渡された。トロフィーは第二次世界大戦で略奪の危機を免れるも66年に盗難。この時は見つかったが、ブラジルで83年に盗難後は発見されていない。永久譲渡後の2代目は06年に3代目へ継承された。4年に1度の過去20回でトロフィーを手にしたのは8カ国にすぎない
▼夏の甲子園99回では岩手はおろか東北は1度も優勝旗を手にしていない。白河の関越えをと渇望しているうちに空路で北海道に渡った。優勝地域の偏在を打破し、3代目の優勝旗を東北、岩手へと願う。

 2018年  7月  5日  ― 「万引き家族」とスイミー ―
 先日、是枝裕和監督の最新映画「万引き家族」を見てきた
▼街の壊れそうな平屋に治(おさむ)と信代の夫婦と息子の祥太、信代の妹・亜紀の4人が転がり込み暮らしている。彼らは家主の老婦・初枝の年金を当てにし、足りない生活費は万引きで稼ぐというならず者一家なのだ
▼だが互いに口は悪いが仲はいい。さらに治が近くの団地で泣き震えていた幼女を見かねて連れて帰るという珍事もあり、万引きという犯罪を主業にした一家の危うい物語が展開していく。DVDを含め今後映画鑑賞を予定している方もおられようから、詳細は略させていただく
▼ただ是枝監督がこの映画を制作する動機の一つにもなったといわれている「スイミー」と題する絵本については触れておきたい。これはオランダ出身で米国の絵本作家レオ・レオニが、1963年に出版した絵本で、日本語版の題名は「スイミーちいさなかしこいさかなのはなし」となっている
▼映画「万引き家族」でも学校に行かず父親と万引きをして暮らす少年が、国語の教科書に載っている「スイミー」を音読する場面がある。是枝監督は以前に訪問した養護施設で、女児が「スイミー」を懸命に朗読してくれた姿に心打たれ、映画もその子に向けて制作したのだという
▼絵本には魚がカラーで大きく描かれている。

 2018年  7月  4日  ― 「終わった人」の泣き笑い ―
 盛岡が舞台の映画「終わった人」が好評だ。父親が盛岡出身の内舘牧子さん原作。名門の南部高校から東大卒の大手行員が、不運で出世街道を外れ、しみじみ定年の男の悲喜劇。試写会で「身につまされる」とぼやきが聞こえた。
▼クランクインのとき盛岡広域フィルムコミッションに、エキストラが必要だから中田秀夫監督のオーディションを受けてと言われた。主演の舘ひろしさんの高校時代の父の役。息子自慢の実直な教師像を演じよと。
▼映画の設定をもとに計算すると、1975年ころの盛岡の市井人の役柄。自分が小学5年生のときの恩師たちは今の中高年より老成していて、60歳くらいの校長先生など、まさに「終わる人」の威厳があった。今は還暦過ぎても若い。だから映画のように、皆さんなかなか終われない。
▼団塊が後期高齢化するのは2025年問題。1980年代「新人類」と呼ばれた世代の頭さえ、あと2年で定年。非常識だ軽薄だと、けちょんけちょんだったぼくらも、そんな馬齢の声聞かば、柄にもなく国の行く末を案じてしまう。
▼エキストラの方は監督のお眼鏡にかなわず、無名の銀幕デビューならず。あたりほとりに自分の役作りを聞くと、どうも芝居がクサかったようで、「終わった人」より、「変わった人」に見られちゃったみたい。

 2018年  7月  3日  ― 今年のサラリーマン川柳 ―
 第一生命主催の「サラリーマン川柳」は、今年で31回目となる
▼いわゆる勤め人の日常の喜怒哀楽を、皮肉やいたわりも込めて詠む作品が多いから、目にした人は魅了されてしまうのだろう。当事者のサラリーマンだけではなく、その家族をはじめ周囲の友人知人にも愛好者が増え、ファンの裾野を広げている
▼今話題になっているのは今年のベストテン(優秀10句)だ。主催者が2月に応募作品の中から「優秀100句」を選出。さらにそこから一般投票によって1位から10位までの優秀10句を決め、これが5月下旬に公表され読まれているのだ。ここでは上位3句に触れておく
▼人は時折、意味不明な行動をする。例えば体を鍛えようとスポーツジムに通う。往復も歩くか自転車なら鍛えになるが、なぜか車で通いジムで自転車こぎをしてくる。晴れて1位を射止めた句も「スポーツジム車で行ってチャリをこぐ」と詠んでいる
▼2位の「『ちがうだろ!』妻が言うならそうだろう」の句は夫婦円満のコツも示唆している。違うだろうと妻が言うなら「そうだね」と、夫が穏やかに応じれば妻も笑顔を返す日がこよう
▼「ノーメイク会社入れぬ顔認証」は、顔認証装置の怖さを詠み3位となる。お化粧の濃淡もあろうが、登録顔面との照合機器の精密さには改めて驚いてしまう。

 2018年  7月  2日  ― 長期政権と緊急登板 ―
 サッカー日本代表がW杯で2大会ぶりに決勝トーナメント(TN)に進出した。1次リーグ最終第3戦の戦略に賛否が出ているが、薄氷の差で生き残りをつかんだ
▼第3戦の西野監督には驚かされた。ポーランド戦は過去2戦で成功した先発から6人も入れ替えた。いわゆる主力の温存だ。西野監督は、過去の日本が決勝TNに進んでも1次リーグを全力で戦った疲労が蓄積し敗退の課題を克服し、初の8強入りに挑戦するための布陣を組んだ
▼0対1で負ける選択をし、終了前の5分以上、安全なパス回しを指示。だが、同時刻の他会場の試合が動き予選敗退となれば、代表批判が最大級になって、おそらく西野監督の一身に浴びせられただろう。矢面に立つ明確な意思表示と取れた。西野監督の全責任を背負う覚悟で下した剛胆さは指導者の一つの理想像とも映る
▼今大会の一番の衝撃はドイツの敗退。3大会連続指揮のレーヴ監督は次大会までの延長が決まっていたが、辞任を示唆。逆に直前に監督交代のスペインも予選を突破した
▼優れた指揮官であっても、目標とされる立場では現状維持でトップを走ることは難しい。政治も長期政権や多選への弊害がいわれる。水の流れを止めて腐らせぬよう、刷新や進化の期待に応えられるか。継続でも交代でも求められる要素だ。

 2018年  7月  1日  ― はやぶさ2が小惑星観測 ―
 織物と裁縫が上手だという織り姫星。.青年牛飼いのけん牛星。この二つの星が最も輝いて見えるのは、二人が天の川を挟んで年に一度だけ会い、愛を語り合う7月7日の夜だという
▼そんな星物語を生んだ7月の夜空を、今月は改めて仰ぎ見たいと思う。一方、おとぎ話ではなく3年半前に打ち上げられ宇宙空間を飛行して、小惑星などの観測を進める日本の宇宙探査機「はやぶさ2」の動きからも目が離せない
▼先月下旬にはこの探査機が、地球から3億`も離れた小惑星「りゅうぐう」近くの目的地に到着している。小惑星とは地球や水星、金星など太陽系惑星が、およそ46億年前に誕生した時に惑星にならなかった小規模の天体のことだ。小さいとはいえそこに往時の物質を残している天体もあるという
▼地球には海があり水がある。生命も誕生している。それをもたらしたのは小惑星ではないかという見方もある。水を含んだ小惑星が数億年にわたって、地球への衝突を繰り返す。それによって地球に水分が吸収され、やがて沼ができ湖が形成され億単位の歴史を経て海ができた、と
▼そんな推論の裏付けをしたくて世界が日本が小惑星に探査機を飛ばす。「はやぶさ2」が撮影し送信した画像も公開されている。素人で「岩だな」という程度なのだがわくわくしてくる。
  

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