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【写真】大正期の建造物ながら、現在も盛岡市消防団第五分団屯所として使用される紺屋町番屋。屯所の役割を終えたあとの活用策が課題だ
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観光スポットとしても注目される盛岡市指定保存建造物「紺屋町番屋」(市消防団第五分団屯所)=同市紺屋町4の33=。同市は、来年度にも近隣に(仮称)紺屋町地区コミュニティー消防センターを新築し、屯所としての機能を移転する。新施設が別の場所に整備されることになり、大正期のハイカラな番屋が、このまま保存される可能性は高まった。しかし、残した後の管理や活用の方法はまだ不透明だ。番屋は民間所有。建築当時から代替わりを重ねた所有権者は50人以上になると見られ、観光資源として活用するために市に寄贈を受けるにしても、その手続きは簡単ではない。
紺屋町番屋は、木造2階建ての上に六角形の望楼を乗せた市民にはおなじみの建築物。延べ床面積は約159平方メートル。1891年(明治24年)盛岡消防よ組番屋として現在地に建てられた建物を、1913年(大正2年)に消防組第四部事務所として大工・石倉久太郎氏らの手で改築されたものが現在の建物と言われる。
大正時代の木造洋風事務所建築の典型で消防施設の歴史を知る上でも重要な史料。最近は往時の街並みを体感できる観光スポットとして注目度が高く、修学旅行などで見学に訪れる人も増えた。
しかし、老朽化が進み、現役の消防屯所として使用を続けるのは難しい。市は(仮称)紺屋町地区消防コミュニティセンターの新築を計画。今年3月に番屋そばの約200平方メートルの敷地を購入し、新施設の設計に着手することにした。計画通り進めば来年度にも新施設が完成する。
現在とは別の場所に新施設の整備が決まり、番屋そのものの保存は固まった。ところが、その後の管理や活用の方法については、まだ具体的な話し合いが進んでいない。消防団が移転したあと、老朽化した建物の補修や維持管理の責任は誰が持つのか。どんな方法で観光資源としての魅力をアップさせるか。市が寄贈を受ける場合も全国に分散した所有者の同意を得て所有権を一本化する法的な手続きが必要だ。それなりの費用もかかる。
番屋を管理する消防団員からは「誰も使わなくなったら、いつ倒れるか分からないような建物。残すのはけっこうだが先々のことも考えてほしい」という声が漏れる。消防団にかかわって55年という川村新・同市消防団第五分団長も番屋の所有権は持っていない。「いずれは市に寄贈しなければならないだろう。ただ、全国の所有者に同意をもらいに歩くのは大変なこと」とため息をつく。
消防屯所を監督する同市消防防災課は「建物は市の持ち物ではない。あとのことは、所有者や地域の方々と話し合いながら決めたい」と慎重姿勢。一方、保存建造物の指定事務を扱う同市環境企画課は「番屋は紺屋町のランドマークとも言うべき重要な建物。無くなってしまったら街の魅力が半減してしまう。観光の中継拠点として生かす方法を見出していくべき。観光コンベンション協会やNPOなど第三者がかかわって活用することも考えられるのでは」と話す。
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