2005年 3月 4日 (金)        

■  〈美術〉伝わらなかった言葉 千葉久美子さんが個展

     
  千葉久美子さんと「伝わらなかった言葉」展  
 
千葉久美子さんと「伝わらなかった言葉」展
 

 滝沢村の千葉久美子さん(28)の個展が5日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子Tで開かれている。アクリル画を中心に8点の絵画を出展している。

  各作品にはタイトルを付けず、会場全体で共通のテーマ「伝わらなかった言葉」を表す。「人が思っていることを言葉にするのは難しい」という千葉さん。自分が感動したことを他人に言おうとするとき、伝えやすいように内容を変えてしまうことがある。その結果、自分が最初に受けた感動が薄れてしまうと思う。

  自分の中に生まれた、自分だけに分かる言葉。他人にはうまく伝えられず不安になっても、自分にとって大事なことだったらあきらめずに持ち続けてほしいという思いを込めている。

  作品のサイズや展示の高さをわざと合わせなかったのは「違うもの同士が補い合って一つのテーマを表現する」という試みから。抽象から具象までさまざまな作品は、自身の心象を表している。

  一番大きな作品は、葉が落ちた木が連なっている冬の風景から着想。上下を逆にすることで、水に映っている、つららのようなイメージを喚起させる。「大きな作品でも自分の手がきっちり入っているという実感がほしい」と、木の枝の部分は細い線で描写。厳しい寒さの中に感じる優しさを柔らかいタッチで表現した。

  今展唯一の抽象作品では、自身の内面を表現。全体を彩る柔らかいピンク色は人間の肌の色をイメージ。自分が優しい気持ちになれる場所、何かに守られているという安心感を表した。

  今展のきっかけになったのは4年前に制作した油彩作品。暗い画面の中央には一つの裸電球がつり下げられ、床面には小さな丸い穴が空けられている。

  作品は「一人のときの気持ち」を象徴。誰でも自分の上に1個の電球を持っていて、その光に照らされて生きている。光は弱いかもしれないが、階下がどんなに深くてもその奥底をわずかでも照らし出せるという思いを表現した。

  午前10時から午後7時(最終日は同5時)まで。


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