2008年 5月6日 (火) 

       

■  早池峰山と岩手山の高山植物を紹介 岩手大学ミュージアムで

     
  岩手大ミュージアム本館で開かれている企画展「早池峰山と岩手山の高山植物」  
 
岩手大ミュージアム本館で開かれている企画展「早池峰山と岩手山の高山植物」
 
  盛岡市上田3丁目の岩手大学ミュージアム(岡田幸助館長)本館で企画展「早池峰山と岩手山の高山植物」が開かれている。同大所蔵の植物標本のうち、1928年、昭和天皇が本県へ行幸した際、盛岡高等農林学校の鏡保之助校長(在任1921〜1931)が献上品として選んだハヤチネウスユキ、ヒメコザクラなどの高山植物のさく葉標本20点を紹介。合わせて早池峰山の植物相を特徴づける10種を展示している。

 早池峰の山々は中生代以降海中に没したことがなく、噴火の影響を受けたこともないため、特有な植物が生育し、独特の植物群落が観察できる。早池峰の貴重な植物は、紫波町出身の須川長之助(1842〜1925)が、ロシアの植物学者マキシモビッチ(1827〜1891)の依頼で植物採集に当たったことがきっかけで西欧の学者にも知られるようになった。

  1927年には本田正次、竹中要、両博士が高山植物帯を調査。その報告に基づき、28年に代表的高山植物帯として国の天然記念物に指定されている。さらに57年には特別天然記念物となった。

  昭和天皇の行幸に際し、鏡校長は17項目にわたる研究業績の紹介と合わせ、献上品として動植物の標本を整えた。その時、選ばれた岩手県下の高山植物20種は16種が早池峰山、4種が岩手山で採取されたもの。現在はレッドデータブックでAランクに位置付けされるような貴重種で、生物研究への造詣が深い昭和天皇へ本県の財産をアピールする狙いもあったとみられる。

  献上品として作成された標本と重複するものは残っていないが、後の研究者も、早池峰山や岩手山で同種の植物を標本として保存。貴重な研究資料として現代に受け継がれた。

  植物標本は、同大ミュージアム研究員の須田裕名誉教授がミュージアム開設に当たって整理、今回の展示にこぎつけた。長年、早池峰連嶺の高山植物を撮影している土井信夫さん、岩手山の植生に詳しい小水内正明さん、岩手山の植物写真を撮り続けている山家敏雄さんの協力を得て、実物の写真や詳しい解説とともに展示している。早池峰山は宮沢賢治も愛した山で、早池峰山を題材にした賢治の詩も紹介している。

  企画展は6月1日まで。開館時間午前10時から午後3時まで。入館無料。問い合わせは電話019−621−6685へ。

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