2008年 5月9日 (金)
■ 〈EU見たまま〉イタリア編6 小野吉郎 ゴンドラの街
ベネチアといえばすぐゴンドラを連想する。かつては1万そうもあったそうだ。その上、より大型化し、豪華さを競っていた。その後、交通事故を恐れて、今のようにスリムな形に統一された。しかも左側は右側より724センチ長くつくられた。これをただ1本のかいでこぐのは至難の業。
船頭のコンドリエーレは、まず親方の下で修業を積み、技能に優れ、市の歴史と外国語の試験をパスすると独立してゆく。イタリアでは車は右側通行、しかし運河の船は左側通行。交差点では、船頭が叫んで注意を促す。大きな交差点には信号機もある。
ベネチアのゴンドラ。背後に見えるのはサンジョルジョ・マジョーレ島(筆者撮影)
ゴンドラはのどかだが、料金が高い。京都や奈良などで人力車を珍しそうに見ていたイタリア女性は、ゴンドラみたいだと言った。
安い料金で急ぐ人はヴァポレット(小蒸気船のこと)。今ではディーゼルエンジンの水上バスに乗ればよい。
1系統はローマ広場−サンタルチア駅−サンマルコ広場まで各停、その後リドに向かう。大運河沿いの観光に便利だ。10分間隔で運航。8系統はザッカリアからリド行き。20分ごと。
サンジョルジョ・マジョーレ島
サンマルコ広場の対岸の島で、そこに同名の寺院がある。16世紀の名建築家パッラディオの代表作。内部にはティントレットの「最後の晩餐(さん)」などがある。教会のドームにはエレベーターで上れる。
ムラーノ
市内北部のジェスティ教会の近くのフォンダメンテ・ヌオボの桟橋から船が出る。ベネチアの北1・5キロメートルに浮かぶ五つの小島。橋でそれぞれ結ばれている。
かつては貴族の別荘地だった。東方からもたらされたガラスの製法で、ガラス工場が市内に増えたので、万一火事が起きては危険と、この島にガラス工場が集められた。そして1千年近くのベネチアン・グラスの伝統の中心地として栄えた。
ムラーノ・コローナの船着き場で降りて、右側に向かうと運河沿いの両側にガラス工場や土産物店が並ぶ。まっすぐ500メートル進むとサンピエトロ・マルティーレ教会。これは15世紀の建物で、ベッリーニ、ティントレット、ヴェロネーゼの作品が見られる。右へ300メートル行くとガラス博物館がある。
リードは世界中の映画祭の元祖
アドリア海の荒波や外敵から守るための南北12キロメートルの細長い島。20世紀になって高級リゾート地の海水浴場。夏の間は世界各地から富豪が集まる。カジノがあり、高級ホテルビエンナーレや映画祭の会場もある。リードには空港が、陸地の方にはマルコ・ポーロ空港もある。なお、国際映画祭では世界最初、1932年にさかのぼる。
市内にはまだまだ多くの名所がある。アカデミア美術館にはベネチア派の14世紀から18世紀の名作が集められている。その近くにあるグッゲンハイム美術館。ピカソ、シャガールなど300点もある。
かつてのトルコ商館は現在自然史博物館に、ドイツ商館は中央郵便局になっている。
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