2008年 5月14日 (水) 

       

■  盛岡市が独自の景観条例静定へ 歴史的景観はエリアで保全

 盛岡市は、市内の街並みや風致などの景観を守る市独自の景観条例づくりを進めている。景観計画を年内に策定。建物の増改築や新築、開発行為の届出制や景観を損ねる建設や開発に対する制限、勧告などを盛り込む。現行の都市景観形成ガイドラインが紳士協定なのに対し、景観法(04年6月公布)上の拘束力を持つ内容になる。市は条例案を12月市議会に提案し、市民への周知を図ったうえで09年4月1日に施行する考え。

 条例は▽基本理念▽景観計画▽景観法に基づく行為の制限等(届出、勧告等の適用除外など)▽河川景観・眺望景観の保全地域(同地域内の高さ等の制限)▽景観重要建造物・樹木▽景観審議会▽雑則(監督処分、違反建築物の設計者等に対する措置)▽罰則−で構成。

  景観法により、都道府県と政令指定都市は景観条例を制定、景観計画を策定し、景観行政を推進することになった。市は独自に条例、計画を作る「景観行政団体」に名乗りを挙げた。包括的な県条例に対し、エリア別の景観形成や重点地区を設定するなど、きめ細かな景観行政を目指している。

  景観計画は今年度、市全体にかかわる骨格的な部分をまとめる。既存の市都市景観形成建築等指標要綱に基づく市都市景観形成ガイドラインも継承する。計画区域は市全域が対象になる。

  この中で届出制の対象として建築物や工作物の新増改築、移転、外観変更につながる修繕や模様替え、色彩変更、都市計画法上の開発行為、良好な景観形成に支障となる行為などを挙げた。これに抵触する場合の勧告、変更命令なども盛り込む。同要綱の届出対象を下回らず取り入れる方針。

  市条例の独自性は、エリア別景観形成。眺望景観で同要綱とガイドラインになかった明治橋や盛岡天満宮からの岩手山眺望などでも発揮される。エリア別では城下町風情が残る鉈屋町・大慈寺町、北山の寺院群の歴史景観が挙げられる。これらは今年度と09年度に順次検討、策定を目指す。

  所管の市都市整備部景観形成推進事務局では、景観重要建造物・樹木の指定について、文化財を所管する教育委員会、保存建造物を所管する環境部の担当課とすり合わせする。

  一方、青山地区のれんが造りの旧覆馬場のように、民間や個人所有のため撤退や売却に伴う解体の情報を事前に察知し、保全する対策は条例を制定しても取り扱いが難しいという。「指定は本人の意向が優先で、個別に話し合いを進めるしかない」と説明する。

  鈴木幸雄事務局長は「市内は城下町風情が残り、水と緑に恵まれたまち。条例は景観を守り、つくり、育てるのが目的。景観法に基づく制限で、改めて良好な景観形成を図るための適正なルールを決める。計画も今年度は骨格的部分を策定し、エリア別などは住民との合意形成により計画に来年度以降追加していく形」と話している。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします