2009年 1月 3日 (土) 

       

■ 特集〈岩山の魅力を再発見〉冬ならではの眺望、野鳥観察

     
  岩山に昇る日の出(愛宕山記念公園から撮影)  
 
岩山に昇る日の出(愛宕山記念公園から撮影)
 
  岩山(340・5メートル)は盛岡市民なら一度は訪れたことがあるだろう。古くは藩政時代から市民のレクリエーションの場、行楽地だったという。展望台から見渡す盛岡の街並み、遠くに望む岩手山、姫神山、志波三山。都市近郊とは思えない豊かな自然、四季折々に出合う多様な動植物たち。再発見する魅力と「お宝」探しに岩山エリアへ行ってみよう。

 岩山には頂上展望台、啄木望郷の像・啄木詩の道、鹿島精一記念展望台、その東に岩山パークランド、南東に開園20周年を迎える市動物公園、西にはリニューアルを進める岩山漆芸美術館(休館中)、市中心部の水がめ新庄浄水場、東に足を伸ばせば盛岡競馬場、北に綱取ダムがある。

  夏休みには、新庄墓園へ墓参りをかねて動物公園や岩山パークランド、岩山展望台周辺に市民や帰省客らが訪れる。春のサクラ、秋の紅葉とドライブコースの定番でもある。落ち葉の敷き詰められた散策路、新雪が陽光にきらめく頂上付近など晩秋、初冬も魅力的だ。

  一方で近年、多様化するレジャーの中、観光地、行楽地としての岩山の地位が揺らいでいる。中高年の登山、トレッキングブームも目的の山々へマイカーで向かう時代。かつて市内を一望できる唯一のスポットも盛岡駅西口のマリオス最上階にやや押され気味だ。

  盛南開発に代表される都市開発の進展、「安近短」重視の新たな観光商品開発により、岩山エリアでの新たな投資の動きはなく、市も観光計画に盛り込むものの画期的な打開策を講じられないでいる。

  しかし、魅力を知っている人は楽しんでいる。この山を健康のため日課の散歩コースにする近隣住民、簡易なトレッキングコースに利用する市民も少なくない。朝、日中、夕方、好きな時間帯に、一人で夫婦でペットを連れて。80歳代で山林をかっ歩する達人もいる。

  なだらかな散策路から登山気分を味わえるコースまで、東西南北、豊富なルートを自分の体力や楽しみに合わせて選べる。市民同士が知り合いになり、自生の植物を慈しむ。360度パノラマの景色や野鳥、山野草の写真撮影に訪れる人も多い。

  県庁所在地で都市機能の集積した中核市の市街地で、これほど身近にカモシカやニホンジカ、サルまで目撃できるスポットは貴重だ。

  漆芸美術館を通過すると、国道4号バイパスを往来する交通の喧騒(けんそう)が遮断される。耳を澄ますと鳥たちのさえずり、森の息づかいまで聞こえそうだ。

  改めて着目すれば、岩山エリアは活性化の潜在能力が高い。市中心部のお城を中心としたまちづくりに加え、連続性ある市内の周遊ルート開発、観光振興の上で重要な資源になるはずだ。
  まずは市民自ら「盛岡のお山」を知り、魅力を体感し、岩山を再発見しよう。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします