2009年 1月 26日 (月)

       

■  「地方は発言力を強めるべき」 増田前総務相が盛岡で講演

     
  講演する増田氏  
 
講演する増田氏
 
盛岡中央工業団地協同組合(西野利夫理事長)の新年交賀会が24日、盛岡市の盛岡グランドホテルで開かれた。この中で前総務大臣の増田寛也氏が「地方を元気に!政治経済の混乱を越えて」と題して講演。県政3期と安倍・福田両内閣にいた視点で、民間の立場から地方再生を訴えた。増田氏は、新年度から東京大学公共政策大学院客員教授に就任する。

 交賀会には約200人が参加。増田氏は現下の金融危機に対して「官民、国地方を問わず新たな需要の掘り起こしを講じ、今までにないやり方でやれることをしていかねばならない。各地域に生きた血液のお金を流していく必要がある。やり方は二つ。国の地方対策の予算を増やす。使い勝手の良い各地域が自由な発想で使えるお金を増やさねばならない。地域を支えている企業を支えるのは地域の金融機関の役割。金融機関大手はだいぶ前にさまざまあり、不良債権処理を当時の法律のスキームに沿って公的資金投入で処理した。地方銀行はまだ不良債権処理が終わっていないところに今回の金融危機が生じ、経営が傷んでいる」と述べ、金融機能強化法に基づき、地銀に公的資金を投入するよう勧めた。
  地方自治について「東京都の区は特別地方公共団体で岩手県の市町村より権利が強められている自治体。お金をべらぼうに持っている。人口が多く1区で80万人くらい。金融危機で税収が減ってもかなり図体が大きい。この前まで使うところがなくて23区の小学校の校庭を全部芝生化するなど、いろんなところにお金を使っている」と述べた。

  「大事なことを決めるのは区議会。見に行くだけの時間がない。本当は大臣をやっていたのでしっかり見ておきたいと思っていた。まだ住民の関心がなく、どういうことが議論されているか分からないが、足元の議会に関心を寄せて一緒に議論に参加していくことが望まれる」と、都政に関心を示した。

  国政と地方行政を対比し「大臣、知事と国、地方の行政をそれぞれ責任者として務めて思ったのは、地方の声、岩手の声をいかに国政に反映させることが難しいこと。ますます厳しく難しい時代になる」と述べた。

  「東京の衆院選挙区は25ある。岩手も青森も4区まで。岩手は2区は滝沢から県北沿岸までの範囲を代弁する代議士が、ひとりで国会で主張していかねばならない。東京はあれだけの中で25区あり、何区選出と言われても場所も名前も具体的なイメージがわかなかった。都会の選挙民の声を背負っている人が多い。大阪も19区、神奈川も15か16区あり、非常に国会議員が多い。岩手の4人は努力して力のある人ばかりだが、いくら言っても数で圧倒される。東京25と大阪19で、岩手の4の11倍。比例もあるし差が開く一方。大都市圏としては埼玉、千葉、神奈川、愛知、三重、京都、兵庫もある」と、大都市圏の発言力の大きさを強調した。

  永田町にあった立場で「岩手の主張、青森の主張を届け、国会に代表して地域の人たちの声を背に受け、政治の場でどうやって反映するか。政治は力であり、数が最後に物を言う。そこを真剣に考えていかねばならない」と述べた。

  その上で東北6県の連帯を訴え「共通項を引っ張り出して6県なら国会議員は30人。それでも東京に追いつくくらいの数だが、共通項をきちんと主張し国政に反映させることが必要。東北全体で大同団結を」と述べた。

  自らの今後の処し方については、「大臣のときは国会議員にならないのかと聞かれたし、辞めてからも絶対ないが、こういう状況を考えると若いバイタリティーのある人に地域政党でも作って数を集めてやってほしい。わたしは地域の声を国政に届けるサポート役でありたい」と述べ、国政への転身は否定した。

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