2009年 2月 12日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉245 岩橋淳 「おふろだいすき」

     
   
     
  入る前にはぐずぐずしているくせに、いざ入ってしまえば今度はなかなか出てこない。だからおもちゃを持って入るんじゃないっ、と何度言っても、中にはかれらの「分身」みたいなおもちゃもあったりして、結局は、まぁ仕方ないかとなってしまうんですが。

  本作の主人公の少年も、あひるのプッカと一心同体。「プッカもおふろがだいすき」と感情移入してしまうところまでは「ありがち」ですが、ガラリと開けたお風呂場のドアが、絵本のワンダーランドの入り口になっているのです。…普通サイズのユニットバスにあるまじき、おそらく異界とつながっているであろう浴槽の広さ、深さ。そこから現れる、大小の動物たち。

  あ、これって、「ドラえもん」だ。

  否、異界の出入口を机の引き出しに置き換えたドラえもんが、タンスの奥がそうなっている「ナルニア国物語」(C・S・ルイス作)のような、童話界の古典的パターンを踏襲しているんですね。本作では、主人公は冒険の舞台をお風呂場の外までは求めません(湯冷めしちゃうからネ)が、入り口のありかは分かったから、この次は、きっと…。

  【今週の絵本】『おふろだいすき』松岡享子/作、林明子/絵、福音館書店/刊、1260円(税込み)4歳〜(1982年)。

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