2009年 2月 24日 (火)

       

■ 厚さ30マイクロメートルの超薄型電池を開発 岩手大学の馬場教授ら

     
  新開発された超薄型ガラス基板リチウムイオン2次電池について説明する岩手大工学研究科の馬場守教授  
 
新開発された超薄型ガラス基板リチウムイオン2次電池について説明する岩手大工学研究科の馬場守教授
 
  岩手大学工学研究科の馬場守教授と日本電気硝子(井筒雄三社長、本社滋賀県大津市)は厚さ30マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの千分の1)という超薄型のガラス基板リチウムイオン2次電池を開発した。ガラス基板を用いた同種の電池としては世界最薄。モバイル電子機器の薄型化や多機能型の次世代ICカードなどの実現に寄与できるほか、太陽電池など薄く高品質な基板が必要なほかの電子デバイスへの応用展開も期待できるという。

  リチウムイオン2次電池は、何度も充電が可能で携帯電話やデジタルカメラなどの電源として広く利用されている。新しく開発された超薄型ガラス基板電池は、日本電気硝子が開発した30マイクロメートルのガラス基板上に、真空の容器の中で膜を作る「RFスパッタ方式」によって薄膜リチウムイオン2次電池(厚さ約1マイクロメートル)を載せたもの。

  ステンレスや樹脂の基板を用いて薄膜電池を長年、研究してきた馬場教授が昨年10月、同社の超薄型ガラス基板を知り、共同開発を進めた。

  これまでもガラスのほか、ステンレスや樹脂を用いたミリ単位の基板は存在したが、素材の柔軟性が乏しかったり、湿気のもとになるガスを通しやすいなどの欠点があった。

  超薄型ガラス基板は無研磨でありながら表面が平滑、樹脂製に比べてガスも通しにくいため、電池の品質を保ちやすく基板としては最適な材料という。30マイクロメートルという超薄型のため、ロールとして巻き取ることができ量産化にも道を開く。

  馬場教授は「薄膜電子デバイスの基板として、超薄型ガラスの利用に先べんをつけた意義は大きいと思う。柔軟性のあるガラス基板を生かし、太陽電池や有機EL素子などより広範な薄膜電子デバイスへの応用が期待できる」と説明。

  技術が実用化されれば、ICカードに電源を搭載し、記録されたデータをカードに表示させたり、読み取った情報を電送したりすることができるようになるという。これまで電源を搭載できなかった精密な医療機器などに、安全性の高い電源を搭載するといった技術の開発も可能になる。

  日本電気硝子液晶板ガラス事業部の三和義治製品技術部長も「超薄板ガラスは応用範囲が広い。量産体制の実現に向けさらに研究を進めたい」と意欲を語った。

  この技術は25日から27日まで東京ビッグサイトで開催される第2回国際太陽電池展でも紹介される。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします