2009年 5月 5日 (火)

       

■ 〈保阪嘉内の短歌〉11 望月善次 桜花、雨に濡れたり

 桜花、雨に濡れたり、向き合ひの石の
  鳥居も雨に濡れたり
 
  〔現代語訳〕桜の花は雨に濡れています。(その桜と)向かい合っている石の鳥居も雨に濡れています。

  〔評釈〕「春日哀愁篇」十七首〔『アザリア』第1号〕の十首目で六首続いている桜に関する作品の五首目。実は、「春日哀愁篇」十七首は、この一連の桜六首の他にも、次の「四首旅日記より」の冒頭も桜に関するものなので、「春日哀愁(春の愁い)」の中に桜が大きな意味をもっていることが指摘できよう。嘉内は、多くの日本人にも通じる、そうした面ももった人物でもあったのである。
  (盛岡大学長)

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