2009年 5月 15日 (金)

       

■ 県北自動車が民事再生手続き 関連の浄土ヶ浜ホテル合わせ負債120億円

     
  記者会見する小林弁護士、三船社長(左から)  
 
記者会見する小林弁護士、三船社長(左から)
 
  岩手県北自動車(三船博敏社長、本社・盛岡市盛岡駅前北通5の1、資本金5千万円、従業員335人)は14日、東京地裁に民事再生法手続き開始の申し立てを行い、保全命令を受けた。負債総額は約92億円。公共交通機関の企業再生を手がける経営共創基盤の支援で再建にあたる。バス路線と雇用は維持する。関連会社の宮古市の浄土ヶ浜パークホテルも民事再生手続き開始を申し立てた。負債総額は約28億円。県北自動車は本県北部を中心に224系統のバス路線を運行してきたが、沿線の過疎化による乗客の減少に加え、昨年の2度の震災による観光事業への打撃、燃料高の圧迫を受けて経営が悪化し、法的手段により再生を図る。

  同日は同社の三船博敏社長、申し立て代理人の小林信明弁護士らが県庁で記者会見した。三船社長は「このたび、はなはだ不本意なことだが大変皆さんに不安を与えた。今後、事業を維持継承するため、このようにして再生を図るのが最良として苦渋の決断をし、本日の申し立てをした。皆さん常日ごろから、わが社の事業が厳しい経営環境にあるのは承知の通り。少子高齢化と過疎化などいろんな意味で乗客が減少している。さらに油の高騰などが重なり合って厳しく、何とか頑張ってやってきたが社内の自助努力も先ほど申し上げたような事情でやむを得ないことになった」と述べた。

  今年3月期は約25億円の売り上げに対して3億8千万円の赤字を計上し、03年の36億円の売り上げの3分の2程度に落ち込んだ。加えて盛岡地裁から破産手続き開始決定を受けた八幡平市の八幡平観光の負債約5億円を引き受けており、今年に入って経営は一層厳しくなっていた。

  乗客の減少について三船社長は「路線バスも今年は貸し切りもかなり落ち減少した。2度の地震による減少もある」と述べ、昨年の岩手・宮城内陸地震と岩手県沿岸北部地震の影響を理由に挙げた。

  路線の維持について小林弁護士は「廃止は考えていない。いろんな意味で今後も経営改善する。バス会社で難しいのは公共性。地域の足を確保する公共性と、企業なので収益性を確保するのが難しい。より精通したスポンサーによる経営改善をして事業を再建する。経営共創基盤はバス事業の再建に多くの経験を持っているし、継続的に安定した改善をするため、経営共創基盤の再生支援でその方向を目指す」と話し、外部のスポンサーによる再建を目指す考えを示した。

  浄土ヶ浜パークホテル(三船博敏社長、本社・宮古市日立浜町32の4、資本金2億500万円、従業員82人)は91年に新築し、金融機関から多額の融資を受けたあとバブルの崩壊により売上高達成が困難になり、多額の支払利息の負担が生じ、2度の震災による風評被害が追い打ちをかけた。

  岩手県北自動車は1943年に岩泉町で創業し、1979年に盛岡市に本社を移転し、関連会社で広域的に観光事業を展開している。

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